若年成人男性の血管内皮機能を規定する因子に関する研究 〜特にLDL粒子サイズや酸化LDLの関与について〜
Project/Area Number |
14770309
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松井 英夫 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (00324434)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 血管内皮機能 / 酸化LDL / LDL粒子サイズ / NO合成酵素 |
Research Abstract |
昨年までに我々は、(1)インスリン抵抗性がLDLの酸化変性を促進すること、(2)LDLの酸化変性が他の心血管疾患の危険因子とは独立して血管内皮機能を傷害すること、(3)Small dense LDL(小型高密度LDL)はLDLの酸化変性を促進することにより間接的に血管内皮機能傷害に関与していること、を見いだした。本年はさらに血管内皮機能に影響を与えうる種々の遺伝的背景(遺伝子多型や変異等)について検討を加えた。 【方法】明らかな心血管疾患を持たない若年健常男性53名を対象とした。血管内皮機能は、高解像度ドップラーエコーを用いて駆血後の反応性充血時の上腕動脈の血管径と血流速度を測定し、内皮依存性血管拡張反応として評価した。今回は特に血管内皮機能に直接関与している可能性があるeNOS遺伝子多型(Glu298Asp多型)とmethylene tetrahydrofolate reductase (MTHFR)遺伝子多型(C677T多型)に関して、PCR-RFLP法を用いて決定した。 【結果】eNOS Asp298 alleleを有する者は、このalleleを持たない者と比較して、有意に血管内皮機能が低下していた(P=0.0072)。一方MTHFR T677 alleleを有する者は、このalleleを持たない者と比較して明らかな血管内皮機能低下を認めなかったが、eNOS Asp298 alleleを有しかつMTHFR T677 alleleを有する者では著明な血管内皮機能低下を認めた(P=0.04)。さらにステップワイズ回帰分析を行うと、eNOS Asp298 allele、MTHFR T677 alleleは他の因子とは独立して血管内皮機能を規定していた。 【結論】以上よりeNOS Asp298 alleleは、若年健常男性の血管内皮機能傷害に関与していることが示唆された。さらにMTHFR T677 alleleとeNOS ASp298 alleleの合併により血管内皮機能障害が促進され、両者が動脈硬化の発症・進展に関与していることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)