神経特異的RNA結合蛋白質による正常神経発生および腫瘍発生の制御機構の解明
Project/Area Number |
14770372
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pediatrics
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
赤松 和土 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60338184)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | Hu / ELAV / 神経幹細胞 / RNA結合タンパク質 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
1.神経特異的RNA結合蛋白質HuDの機能解析 神経細胞特異的RNA結合蛋白質HuD欠損マウスを作成し、その表現系を解析した。HuD欠損マウスは胎生10日目頃に一過性の神経発生遅延を示したが、その表現系は胎生後期以降は消失した。胎生後期以降は大きな組織構築異常を認めなかったが、Rotarod試験では成体の運動機能に有意な異常を示した。一方、胎生14目大脳皮質から採取した細胞をneurosphere法により培養すると、神経幹細胞のコロニーは増加し、これらの細胞を分化誘導すると野生型よりニューロンを産生する細胞が少なかった。BrdU, IdU2重標識組織切片によっても同時期の同部位での細胞周期からの離脱が阻害されている所見を得た。しかしながら脳室周囲での細胞死が亢進しており、結果的に神経細胞の数量的な異常が殆どもたらされなかったと推測された。これらの所見は我々が過剰発現の系を用いて以前に報告した、Huタンパク質がほ乳類の神経分化を促進する機能があるという結果を裏付ける物であり、個体におけるHu蛋白質の機能解析の第1例として現在論文を投稿中である。 2.神経特異的RNA結合蛋白質HuBの機能解析 HuBは神経細胞の分化過程でHuDよりも早期に発現するタンパク質である。強制発現を用いた我々の以前の実験から、Huファミリーは共通して神経分化誘導機能を有することが推測されていた。我々はHuB欠損マウスを作成し、HuDと同様に解析を行った。驚きべきことにHuB欠損マウスの神経前駆細胞の分化は亢進、分裂は減少というHuDとは全く逆の表現系を示した。我々はHuBのスプライシング同位体の相対的発現が未分化な神経幹細胞で増加していることを明らかにした。この変異体は強制発現では神経分化誘導機能はなく、むしろ細胞の増殖を促進することが示唆された。このように神経特異的RNA結合タンパク質Huは、スプライス変異体を用いて多岐的に神経分化に関与しているということが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)