Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Research Abstract |
本邦散発生基底細胞癌おけるPtc突然変異の頻度を探るため,平成14年度散発性基底細胞癌と診断された症例31例と有棘細胞癌11例のホルマリン固定パラフィン標本より5μmの薄切切片を10枚ずつ作成した.基底細胞癌の1例においてPtcのExon14をPCRにて増幅することに成功した.平成15年度は引き続き他の症例においてもExon14,Exon19,Exon20の増幅を試みたが失敗に終わった.原因を究明するため正常人リンパ球DNAを用いてPCR条件の確認を行なったところExon14とExon20はシングルバンドがExon19は複数のバンドが検出された.引きつづいてホルマリン固定パラフィン標本よりDNAが抽出,濃縮されていることを確認するため,ベータグロビンが増幅されるか確認したところ多くのサンプルでベータグロビンを増幅することができなかった.標本サンプルの大きさと核酸の保存状態に問題があるものと思われた.このため手持ちのサンプルでPCR-SSCP解析を遂行することは困難であると結論づけた.そこでBCC発生におけるPtc蛋白質の関与を調べるために残った薄切切片を用いて免疫組織科学的にPtc蛋白質の過剰発現を検討することに方針を変更した.Ptc蛋白質とp53蛋白質の発現を免疫組織化学染色で検討したところ,基底細胞癌では31例中6例が陽性で有棘細胞癌では11例中全てが陰性であった.p53蛋白質は基底細胞癌31例中4例,有棘細胞癌11例中8例で陽性であった.基底細胞癌でPtc蛋白質とp53蛋白質が同時に陽性のものはなかった.基底細胞癌とPtc蛋白質の過剰発現は関連が深く,有棘細胞癌とは関連が乏しいことが示唆された.またPtc蛋白質とp53蛋白質が同時に陽性のものはなかった所見はおのおのを介する癌抑制作用が別の経路をとることが示唆された.
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