GATA-3遺伝子導入トランスジェニックマウスを用いた接触皮膚炎モデルの樹立
Project/Area Number |
14770422
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Dermatology
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
天羽 康之 北里大, 医学部, 助手 (10306540)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | GATA-3 / Th2サイトカイン / インターロイキン5 / インターロイキン13 / TNCB / 接触皮膚炎 |
Research Abstract |
我々はGATA-3転写因子がin vivoにおいてTh2サイトカイン、特にIL-5の産生を制御することをこれまでの研究で明らかにしてきた。これまで接触性皮膚炎誘導はTh1の偏りによってもたらされることが言われてきた。しかし、Th2の関与を示唆する報告も存在することから、この点をより詳しく解析する為に今回、我々はGATAT-3トランスジェニックマウスを用いて接触皮膚炎モデルを樹立し、接触皮膚炎誘導におけるTh2誘導に関与する転写因子GATA-3の関与について検討した。方法;lck distalをプロモーターにしたC57BL/6由来のlck-GATA-3トランスジェニックマウスと同腹のGATA-3の入っていないcontrol(wild type)を用いた。lck distalをプロモーターにしたlck-GATA-3トランスジェニックマウスの腹部を剃毛し、7%TNBC100μlを塗布した。7日後に1%TNBCを左耳介裏表に10μlずつ塗布し、経時的に両側の耳介の肥厚を測定した。再刺激18時間後の耳介組織を採取し、IL-4,IL-5,IL-13,IFN-γの組織内サイトカイン産生をELISA法にて測定した。再刺激24時間後の耳介組織を採取しHE染色とtoluidine blueで染色し、好酸球、好中球、単核球、肥満細胞の数を測定した。TNCB刺激前と再刺激18時間後の血清を採取し、血清中lgE濃度をELISAを用いて測定した。結果;TNCBを塗布した左耳介の腫脹は、塗布後18時間をピークに強い反応がみられ、lck-GATA-3-Tgマウスは対照群と比較して約3倍腫脹していた。耳介皮膚組織内の浸潤細胞は対照と比較して好酸球、単核球及び肥満細胞が有意に増加していた。耳介皮膚組織上清のELISAでは対照群に比してIL-5,IL-13が高まっていた。IFN-γは変わらなかった。血清中lgE濃度は対照群と比較して有意に高まっていた。まとめ;TNCBによる接触皮膚炎の腫脹皮応においてlck-GATA-3-Tgマウスでは耳介の強い腫脹反応が認められた。lck-GATA-3-TgマウスではTh2型リンパ球の誘導、Th2型サイトインの産生亢進が認められた。Th1型サイトカインの産生は変化していなかった。これらの結果より、急性接触皮膚炎の腫脹反応におけるGATA-3を介したTh2型リンパ球の誘導、Th2型サイトカイン(IL-5,IL-13)の産生亢進の関与が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)