Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
これまでにマウス胚の成長にとって重要な因子を分泌する子宮頚部扁平上皮癌細胞株SKG-II-SFを樹立しており、本研究ではこの細胞の培養上清を用いてin vitroでマウスEES細胞からインスリン細胞への選択的な分化誘導法の確立を目的として研究を進めている。既報から詳細にプロモーター解析の進んでいるラットのインスリンプロモーター部位を用いることとし、Donglas Hの報告Science 315,115-122(1985)を参考にラットインスリン2プロモーター領域(-695-+8)をSDラットのゲノムからクローニングしプロモーター領域に制限酵素領域を持つEGFP発現ベクターpEGFP-1に組み込みインスリンプロモーター制御下にEGFPを持つプラスミドを作成した。また、pEGFP-1ベクターに上記のインスリンプロモーター部位を逆向きに組み込み、ネガティブコントロールとして使用するものを作成した。このインスリンプロモーター制御下EGFPをインスリン産生細胞あるいはインスリンを産生しない線維芽細胞に一過性に遺伝子導入し、ELISA法によりインスリン産生が確認された細胞でのみEGFPの発光が観察出来るかインスリンプロモーター領域の検定を行っている。インスリンプロモーター領域の正常なはたらきが確認され次第、インスリンプロモーター制御下EGFPをマウスEES細胞に遺伝子導入し、G418薬剤耐性を指標としてインスリンプロモーター制御下EGFPを安定的に組み込んだマウスEES細胞のクローンを選択し、得られたクローンをEGFPの発光を指標としてインスリン産生細胞への分化誘導実験を行う。