シスプラチン(CDDP)誘発腎毒性に対するメラトニンの軽減効果
Project/Area Number |
14770694
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thoracic surgery
|
Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
北中 陽介 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (60318946)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | シスプラチン / 腎毒性 / 活性酸素 / メラトニン / アポトーシス / DNA断片化 / TUNEL法 / 6-ヒドロキシメラトニン / ヒドロキシラジカル / 活性酸素種 / ESR / DMPO / スーパーオキシド |
Research Abstract |
抗癌剤として使われているシスプラチン(cis-diamminedichloroplatinum,以下CDDP)は副作用として重篤な腎障害をもたらす.この原因としてCDDPが産生する活性酸素種(reactive oxygen species,以下ROS)が関与していると考えられている.このROSはアポトーシスを誘引し,DNA断片化を引き起こすことが知られている.一方,メラトニンは脳の松果体から分泌され,生体リズムに大きく関与している他に、抗酸化作用を持つといわれている.今回,ラットの初代培養尿細管上皮細胞を用いて、CDDPに起因するアポトーシスを,DNA断片化を指標に用い,DNA断片化に対するメラトニンの効果について検討した.0〜200μM CDDPを腎細胞に曝露したとき,DNA断片化は用量依存的であり,200μM CDDPでは細胞死の誘発が認められた.CDDPとメラトニンを同時に投与したものではDNA断片化は明白に軽減した.一方,CDDP曝露後にメラトニン投与を行っても,DNA断片化を軽減することは認められなかった.またメラトニンをCDDP投与の1時間前に投与し,その後CDDP投与を行ってもDNA断片化の軽減は認められなかった.さらに,ラットに5mg/kg CDDPを腹腔内投与した後,1日後の腎細胞をTUNEL法で染色したところアポトーシスが確認された. 以上の結果,CDDP曝露により起こるアポトーシスが腎細胞へのメラトニンの前投与あるいはCDDPの曝露後に投与した場合には,軽減効果は認められず,CDDPとメラトニンを同時に曝露したときのみ著明な効果が認められた.この実験より,(1)CDDPによる腎障害はCDDPによって産生されるROSに起因したアポトーシスを含むこと,(2)このアポトーシスはメラトニンの同時投与により抑制できる、という2つの事実が明らかになった.
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)