筋骨格モデリングソフトを用いた変形性膝関節症症例の手術前後における力学的動態解析
Project/Area Number |
14770730
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Orthopaedic surgery
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
川原 英夫 福井大学, 医学部附属病院, 助手 (50283172)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 変形性膝関節症 / 歩行分析 / 筋骨格モデリングソフト |
Research Abstract |
筋骨格モデリングソフトSIMM Gaitを用いて、内側型変形性膝関節症(膝OA)症例における、病期別および人工膝関節置換術(TKA)前後の膝関節周囲筋の動的筋機能を検証した。対象は、54例89膝の内側型膝OA症例、年齢・体格が一致したcontrol群15例、およびTKA前後で歩行分析を施行した47例74膝の内側型膝OA症例とした。術後平均経過観察期間は23.6ヵ月であった。上記症例に対してVicon370を用いて歩行分析を行い、VCMにて解析し、膝関節モーメントおよびパワーを求めた。膝関節周囲筋の筋電位を計測し、SIMM Gaitを使用して、個々の筋の収縮幅および筋力を算出した。膝OA症例における膝関節周囲筋の歩行中最大筋腱長および最大筋力の平均変動係数はそれぞれ1.0〜2.5%、0.2〜6.0%、級内相関係数は0.96〜0.99、0.92.〜0.98であり、非常に高い信頼性を得た。内側型膝OA初期から膝伸筋の遠心性収縮が低下することにより、歩行中の膝における衝撃吸収作用が有意に低下していた。また、大腿二頭筋は膝伸展時の内反拮抗筋としての作用をも有し、内側型膝OA初期から立脚期の筋収縮幅が有意に減少し、内反拮抗作用が低下していた。衝撃吸収作用および内反拮抗作用の低下による膝内側関節面に加わる圧迫力の増加が、内側型膝OAの発症に関与している可能性が考えられた。TKA施行後、下肢前額面alignmentの改善に伴い、前額面の膝関節周囲筋の筋機能は改善していたが、膝伸筋の遠心性収縮が低下したままであり、歩行中の膝における衝撃吸収作用が有意に低下していた。また、SD FASTおよびDynamic pipelineを使用し、SIMMで作製した筋骨格モデルの慣性モーメント、ボディセグメントの質量、質量中心データを与えることにより、床反力や筋電波形を計測しなくても、関節モーメントやパワーを近似的に逆動力学解析により求めることが可能であった。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)