心筋スタニングにおけるトロポニン変性と麻酔薬の作用
Project/Area Number |
14770777
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Anesthesiology/Resuscitation studies
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
原 哲也 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (50304952)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2003: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 虚血再灌流障害 / 心筋スタニング / ATP感受性カリウムチャネル / フェンタニル / 交感神経α2作動薬 / 麻酔薬 / オピオイド / プレコンディショニング / KATPチャネル |
Research Abstract |
一過性の心筋虚血の後、血流がほぼ正常に回復したにもかかわらず、心筋収縮能の低下が遷延する虚血再灌流障害の病態を心筋スタニングといい、数十時間から数日をかけて回復するものの、この間に進行する多臓器機能低下および多臓器不全は臨床的に重要な問題である。心筋スタニングの発症機序の詳細はいまだあきらかでない。 フェンタニルが心筋スタニングにおける左室収縮力の回復に与える影響およびATP感受性カリウム(KATP)チャネルの役割を、急性装置埋め込み犬を用いて検討した。フェンタニルの虚血前投与により再灌流後の局所心筋短縮率の回復は促進され、この心筋保護効果は用量依存性に発揮された。フェンタニルによる心保護効果は、ミトコンドリアKATPチャネル遮断薬である5-HDの前処置により消失した。フェンタニル投与による冠血行動態の変化は認められなかった。フェンタニルは生体レベルにおいて、虚血再灌流による心筋スタニングにおける左室収縮力の回復を、ミトコンドリアKATPチャネルの活性化を介し、用量依存性に改善させる乙とが明らかとなった。この成果を日本麻酔科学会総会(2004年5月)において発表し、J Anesth 2004;18:122に掲載された。 心虚血再灌流障害の一型である心筋スタニングに対する、交感神経α2作動薬であるデクスメデトミジンの保護効果を急性装置埋め込みブタで検討した。デクスメデトミジンの冠動脈内投与により心筋スタニングからの回復が有意に改善され、再灌流性不整脈が有意に減少した。また、この保護効果は容量依存性に発揮され、デクスメデトミジンの心筋に対する直接的保護効果が明らかとなった。この成果を米国麻酔学会(2004年10月Las vegas)で発表し、Anesthesiology 2004;100-3:A633に掲載された。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)