局所麻酔薬の中枢神経作用-マイクロダイアライシス法を用いた脳内薬物動態の解明
Project/Area Number |
14770785
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Anesthesiology/Resuscitation studies
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中筋 正人 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90295692)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2003: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | マイクロダイアライシス / リドカイン / レトロダイアライシス / エピネフィリン / ブピバカイン / デクスメデトミジン / 痙攣 |
Research Abstract |
神経伝達物質の脳内濃度については従来から多くの研究がなされてきたが、体外から投与された薬物の中枢神経内の濃度の定量はほとんど試みられていない。皮下や神経周囲に投与された局所麻酔薬は、血管内に吸収された後に脳に至って痙攣や意識消失などの重篤な合併症を生ずるため、中枢神経、とりわけ脳内の濃度については多くの関心がもたれてきた。しかし脳内の局所麻酔薬の濃度については、従来は放射性同位元素を用いたオートラジオグラフや、実験後に摘出した脳のhomogenate中の濃度を測定する以外に方法は無く、測定条件は生体内とは根本的に異なるものであった。我々はマイクロダイアライシス法を用いて、覚醒状態の動物で脳細胞外液中の局所麻酔薬の濃度の経時的な測定を試みた。また目的とする物質のみを測定する従来のマイクロダイアライシス法は定量性に欠けるとされるため、本研究では、灌流液に内部標準物質を加え、これの消失率(rate of loss)が細胞外液から灌流液への回収率(rate of recovery)に等しいとして細胞外液中の濃度を求める、レトロダイアライシス(retrodialysis)法を用いてより正確に脳細胞外液中のリドカインの濃度を定量した。本研究の結果、脳内のリドカインの半減期は血中濃度の半減期に比べて有意に長く、静脈内に吸収されて中枢神経に至った局所麻酔薬は長時間にわたって脳細胞外液中に存在することが明らかになった。また、静脈内に投与した局所麻酔薬にエピネフィリンを加えると中枢神経毒性が増加することは従来から知られていたが、その原因は不明であった。本研究では、エピネフィリンの添加により、局所麻酔薬の血中濃度、脳細胞外液中の濃度とも、非投与群に比べて高くなることが明らかになり、脳内濃度の増加が中枢神経毒性の増加の原因であることが示された。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)