遺伝子治療による、膀胱癌の放射線および抗癌剤の感受性増強効果の研究
Project/Area Number |
14770806
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Urology
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
白川 利朗 神戸大学, 医学部, 助手 (70335446)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 膀胱癌 / 遺伝子治療 / 放射線療法 / 併用療法 / 放射線感受性 |
Research Abstract |
膀胱壁筋層に浸潤した膀胱癌に対する治療法の、現在における第一選択は膀胱全摘出術である。尿路変更術の進歩などにより、膀胱全摘出術を受ける患者さんの術後のQOL(Quality of Life)は著しく改善されたが、膀胱機能の温存やさらなるQOLの向上を目指して、現在、様々な膀胱温存療法が検討されている。アメリカにおいて行われた大規模な臨床試験では、著しい局所浸潤、または全身状態の不良などで手術不可能な症例、あるいは患者さん自身が膀胱を摘出することを拒否した症例に対して、経尿道的膀胱腫瘍切除術、放射線療法、および抗癌化学療法の三者併用による膀胱温存療法が施行され、病期によっては膀胱全摘出術と同等の治療成績が確認された。本研究では、これらの三者併用療法に加えて、p53遺伝子や自殺遺伝子の導入による遺伝子治療をさらに併用し、膀胱癌の放射線や抗癌剤に対する感受性を増強することによる、進行性膀胱癌に対する膀胱温存根治療法の実現の可能性を検討した。 最初に種々のP53遺伝子の変異を持つ膀胱癌細胞と持たない膀胱癌細胞での放射線感受性を検討した。結果、正常のP53遺伝子を持つ膀胱癌細胞では、放射線照射によりP53依存性の細胞死を顕著に認めたが、P53遺伝子に変異を持つ膀胱癌細胞では認められず放射線感受性も比較的低かった。以上の結果よりP53遺伝子治療と放射線療法の併用療法の可能性が示唆された。 次にアデノウイルスベクターを用いたCD/5-FC遺伝子治療と放射線療法の併用療法の膀胱癌に対する有用性をヒト膀胱癌細胞株、KK47細胞を用いて検討した。結果、本併用療法は細胞培養系、および動物実験双方において相乗的な抗癌作用を示した。本研究により膀胱癌に対する遺伝子治療と放射線療法の併用療法の可能性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)