Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
癌細胞における遺伝子・蛋白の発現は,同じ癌細胞でもその局在により発現が異なっていることが明らかにされており,癌の先進部においては,MMPs familyをはじめ、多くの癌の浸潤に関わる遺伝子・蛋白の発現の増強が確認されている。我々が浸潤性尿路上皮癌より樹立したUCT-2細胞株は、これまでの免疫組織化学を用いた検討で、scatteringにより蛋白レベルでのMMP-2の発現が増強すること、さらに、コロニーを形成した場合、周辺部の細胞でその発現が高まることを確認している。我々は、この細胞を用いて浸潤先進部モデル(scattering cells)および非先進部モデル(confluent cells)を作成し、それらを比較検討することにより尿路上皮癌における浸潤に関わる分子の制御メカニズムを解明する。 本研究では、まずmicroarray法を用いて、浸潤性尿路上皮癌細胞株(UCT-2)による浸潤先進部モデル(scattering cells)および非先進部モデル(confluent cells)の遺伝子発現の差をmRNAレベルで包括的に検索した。その結果scatteringによりup-regulateされている主な遺伝子は,laminin, caveolin 1, caveolin 2等であり,down-regulateされている主な遺伝子はprostate stem cell antigen, insulin induced gene 1等であった。これらのうち、prostate stem cell antigenは臨床検体を用いた検討で浸潤性膀胱癌と比較して表在性膀胱癌において発現が高かった。prostate stem cell antigenを標的とすることにより、表在性膀胱癌の再発をコントロールできる可能性が示唆された。
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