Project/Area Number |
14770841
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
種部 恭子 富山医薬大, 医学部, 助手 (90303239)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 母体ストレス / 胎孔脳発達 / サイトカイン |
Research Abstract |
1.慢性ストレス負荷による母体および胎仔の行動学的化 妊娠10日目から10日間の反復寒冷ストレスを負荷した妊娠ラットおよびその妊娠19日目に帝王切開にて娩出した新生仔(ストレス群;S群)の行動学的変化を、ストレス負荷のない母体および新生仔(Control群;C群)と比較した。S群の新生仔の平均出生時体重は2.14±0.05gで、C群の2.34±0.05gに比較し有意に低かった(P=0.0011)。また、新生仔の体重1グラムあたりの脳重量は、S群0.0550±0.0008g、C群0.0616±0.0008gで、S群で有意に小さく(P=0.00000011)、妊娠中のストレス負荷が胎仔発育、とくに脳発達に影響を及ぼすことが示唆された。またS群母体においては、胸腺および脾臓重量の有意な減少と、副腎重量の有意な増加を認め、この変化率は、同様のストレスを非妊娠雌ラットに負荷した場合と比して有意に大きかった。妊娠により、ストレスに対する反応はより大きく発現することが示唆された。 2.妊娠ラットでの慢性ストレス負荷による神経-免疫-内分泌相関の動態 S群では視床下部室旁核でのIL-1β mRNA発現量はC群に比して有意に増加していた(RT-PCR法によるHPRT発現量に対する相対発現量、0.204±0.008vs.0.142±0.016,P=0.023)。一方、母体の血漿コルチコステロン濃度はS群267.5±22.8、C群193.0±13.0とS群で有意に高かった(P=0.038)。ストレスにより母体脳においてサイトカイン産生がおこり、神経系を介する副腎髄質刺激またはCRF-ACTHによる副腎皮質刺激を介しストレス反応が発現されたことが推察された。 3.ストレスが胎児-胎盤系に与える影響の分子生物学的解析 S群の子宮および胎盤におけるIL-1β mRNAの発現量はそれぞれ0.494±0.036,0.865±0.029で、C群におけるそれぞれの発現量0.340±0.042,0.642±0.087に比して増加していた(p=0.033,p=0.079)。母体で引き起こされたストレス反応が、免疫系メディエーターを介して胎児へ伝播される可能性も示唆された。 4.ストレスが胎仔脳発達に及ぼす影響を分子生物学的解析 胎仔脳におけるIL-1β mRNAの発現量は、S群の大脳皮質・辺縁系で0.0687±0.0046と、C群(0.0545±0.0043)に比して有意に増加していた(p=0.039)。胎仔脳にもストレス様反応が惹起され、脳発達に影響を及ぼす可能性が示唆された。
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