LPAの卵巣癌細胞内における代謝経路およびその臨床的意義に関する研究
Project/Area Number |
14770844
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
古井 辰郎 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (00313883)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 卵巣癌 / 増殖因子 / GnRH / リゾフォスファチジン酸 / 脱リン酸化 / MAPK / PP2A / セリンスレオニンフォスファターゼ / リン脂質 / 分解酵素 / PAP2 / LPP3 |
Research Abstract |
リゾホスファチジン酸(LPA)の多彩な生理作用(卵巣癌細胞の増殖更新など)が明らかになりつつある。また、LPAの反応にはG蛋白共有受容体Edg2,4,7等が関与していることが分かりつつある。我々は、卵巣癌の増殖を中心とした作用に対するLPAの正負のコントロール機構について研究してきた。特に、ゴナドトロピン放出因子GnRH作動薬(GnRHa)の卵巣癌細胞に対して、抗腫瘍効果を示すことがLPAの分解機構を活性化するためである可能性も示唆してきた。 本年度の研究で、婦人科腫瘍組織、細胞を用いてLPAにより活性化されるMAPキナーゼに対する負のレギュレーションに関してセリンスレオニン脱リン酸化酵素であるPP2Aの局在変化とLPA刺激により卵巣癌細胞が分泌する各種サイトカインの変化について焦点をあてた。更に、これらのサイトカインが婦人科診療で頻用される各種生薬により顆粒膜細からの分泌を刺激することとの関係についても研究した。 【方法】PP2Aの活性は組織、細胞より形質膜、細胞質を分離し、特異的酵素を用いたNoneRIキットによりMAPKの脱リン酸化を測定した。また、PP2AとPP2Bの確認は、ウエスタンブロッティングおよび免疫染色で確認した。また、サイトカインと性ステロイド(IL-1,6,8,estradiol-l7β,progesterone)の測定は市販のキットを用いた。 【結果】PP2Aは婦人科腫瘍において形質膜、ER、細胞質分画に存在した。酵素学的検討により、細胞質に存在するPP2AがMAPKの非活性化に主要な作用をしていると考えられた。PP2AはGnRHにより活性が増強するとともに形質膜への局在の偏位を起こした。以上の事より、PP2AがLPAによるMAPKの活性化を抑制する事によって卵巣癌を始めとする婦人科癌の増殖を抑制する可能性とともに、GnRHの抗増殖効果のメカニズムの一つとしてPP2Aを介し、LPAによって活性化されたMAPKの脱リン酸化によるものである可能性も示唆された。 更に、LPAが卵巣癌細胞のGi蛋白(41kDa)と共有する受容体経由でIL-6、TNF-αの産生を亢進せしめた。この事が、LPAの細胞増殖効果および抗細胞死作用のメカニズムの一端を担っていると考えられた。
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Report
(3 results)
Research Products
(12 results)