Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
強大音やアミノグリコシド系抗生剤によって誘導される内耳有毛細胞のアポトーシスの防御実験の予備実験として、強大音暴露による内耳のcaspase cascadeの活性化の実験モデルの作成を試みた。実験対象はPreyer's reflex正常なfemale pigmented guinea pig。誘導刺激として4kHz octave band 120dB SPLのtone burstに5時間暴露した。音響暴露前、暴露直後、暴露6時間後、1日後、3日後、7日後にgninea pigを断頭後、蝸牛を採取し、deep freezer中に生標本として保存した。免疫染色用には同じ時系列で4%パラホルムアルデヒドをintracardial perfusion後、断頭して内耳骨胞を採取し、さらに固定液に2日間浸透後、2週間奪灰し、パラフィンに包埋し薄切した。caspase assayでは各時系列でcaspase3、caspase8、caspase9の活性を蛍光分光計で測定した。免疫染色では各時系列でcleaved caspase3、single strand DNA染色を行った。結果としては免疫染色では、これまで施行した染色条件では7日後に血管条に上記2つの抗体の染色性が陽性を認めたが有毛細胞の陽性は認められなかった。背景染色も強く統計学的に有意とは言えなかったためさらに様々な条件を工夫し、背景染色を抑制する試みが必要であり、その操作中である。caspase assayではどの時点を通じても蛍光強度に有意差が認められなかった、これは、内耳骨胞内にある骨髄細胞からのcaspase活性のアーチファクトにより、有毛細胞の微細な蛍光が隠されてしまうためと推測された。現在アーチファクトの抑制、他に実験系に最適な動物種としてラットやアレチネズミも候補に挙げ検討中である。