頭頸部がんにおけるシスプラチン、5FU、ドセタキセルの感受性について
Project/Area Number |
14770893
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
小川 徹也 愛知県がんセンター, 研究所, 研究員 (40334940)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 頭頸部がん / 薬剤耐性化 / シスプラチン / Raf / MEK / ERK / Her2 / 抗癌剤感受性試験 / リアルタイムPCR |
Research Abstract |
平成15年度は、1;細胞株を用いた研究、2;臨床材料を用いた研究、で知見を得た。<1;細胞株を用いた研究>(対象と方法)頭頸部がん細胞株UM-SCC-23を用いシスプラチン頻回投与で耐性株を作製した。またウエスタンブロッティング法でRaf,MEK,ERK,Ras等の発現を確認した。(結果と考察)UM-SCC-23のIC50は1.0μg/mlで、耐性株reUM-SCC-23は5.2μg/mlと高値であり獲得耐性株を作製できた。UM-SCC-23でシスプラチンはRas,Raf/MEK/ERKを活性化した。reUM-SCC-23では、Ras,Raf-1,MEKはUM-SCC-23より高発現し、より活性化していた。さらにreUM-SCC-23では、ERK,Akt signalは構造的に活性化していた。またUO126(MEKの阻害剤)とLY294002(PI3Kの阻害剤)は、reUM-SCC-23のシスプラチン誘導性アポトーシスを再獲得した。以上よりRaf/MEK/ERK,PI3K/Akt signal cascadeは頭頸部扁平上皮がんのシスプラチン耐性において重要な役割をする可能性が示唆された。<2;臨床材料を用いた研究>(対象と方法)頭頸部がん生検、手術材料34検体を用いた。シスプラチン、5FUの感受性をHDRA法を用いて測定した。さらに定量的RT-PCR法を用い、これら抗癌剤の規定因子と考えられる遺伝子の発現との関連を探った。(結果と考察)シスプラチンの感受性は29.4%に、5FUの感受性は38.2%にみられた。また両者ともHER2高発現の症例で、感受性が低下する傾向(シスプラチンp=0.0086、5FU p=0.0046)が認められた。上記結果は今後頭頸部がんの抗癌剤感受性を予測する上で、また新たなる新規抗癌剤の開発に少なからず関連するものと考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)