Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
内耳障害の修復課程におけるATPの作用、およびそのメカニズムを解明することが本研究の目的である。 本年度は以下のことを行った。 プライエル反射正常な,300〜450gの成熟ハートレイ系モルモットの雄を使用した。 ネンブタール腹腔内注射による麻酔下に,右蝸牛の基底回転鼓室階に外径0.6mm長さ10cmのポリエチレンカテーテル挿入し,浸透圧ポンプ(model 2002,Alza Co.,Palo Alto, CA, USA)を接続し皮下に留置した。術前,術後に8000Hzのトーンバースト刺激を用いABR閾値を測定し,手術の影響のないことを確認した。その後,浸透圧ポンプを交換した。このときATPを生食を用いて5mMに調整した内容液を満たしたポンプを使用した。ポンプ交換の24時間後に4000Hz,120dBのバンドノイズに5時間曝露し,直後,1,3,7,14日後にABRを施行して,両耳のABR閾値を測定した。 音響負荷直後にATP投与耳,非手術耳とも約50dBSPLの域値上昇を認めた。各耳とも音響障害直後のABR域値上昇は同程度であったが,24時間後,3日後ではATP投与耳のABR閾値が早く回復する傾向を認めた。ATP閾値は24時間後と3日後において有意差を認めた。各耳のABR閾値は7日後には,音響障害前とほぼ同レベルに回復した。 以上より、蝸牛の外リンパ腔に投与されたATPが音響障害からの内耳修復を促進する作用があることが明らかとなった。
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