Project/Area Number |
14770973
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Ophthalmology
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
田中 才一 和歌山県立医大, 医学部, 助手 (60316106)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 水晶体上皮細胞 / TGF-β |
Research Abstract |
家兎眼に対して水晶体超音波乳化吸引術を施行した後に経時的に(術直後、3日目、1週間、2週間、2ヶ月、4ヶ月、6ヶ月後)眼球を家兎から摘出した。摘出眼球から水晶体嚢を摘出してパラフィン包埋を行い、パラフィン切片を作成した。また、一般的に白内障手術時に行われる水晶体前嚢切開(continus circular capsulorhexis)時に得られた切開前嚢および何らかの眼科的病変でやむをえず眼内レンズを摘出しなくてはいけない状況でえられた水晶体嚢を患者の同意の得た後に、パラフィン包埋を行い、パラフィン切片を作成した。先ず、家兎眼での摘出した水晶体嚢は水晶体前嚢と後嚢は癒着し、癒着した部位には水晶体上皮細胞が増殖しているのがみられ、線維芽細胞様細胞に変化しているのが認められた。また、再生水晶体といわれるエルニッシパールといわれるものも観察された。この切片を酵素抗体法間接法にて免疫組織学的に検討を行った。術後早期の水晶体上皮細胞の核にはSmadの集積が認められた。Smadの集積によりTGF-βのシグナル伝達が核に伝達したと考えられた。また、水晶体嚢下に沈着した細胞外マトリックスとしてコラーゲンI, IVが検出した。また、術後早期の家兎水晶体上皮細胞には転写因子であるAP1が検出され、ERKの水晶体上皮細胞への核内移行が認められた。線維芽細胞様細胞にはα-SMAも核に検出された。以上のことより、水晶体上皮細胞は水晶体摘出後に創傷治癒機転が働いており、各種の関与しているサイトカインのうちTGF-βが関与していることが示唆された。また、MAPKカスケードの活性化が認められると考えられる。人水晶体上皮に関しては現在検索中であるが、摘出された前嚢からは家兎眼と同様の水晶体上皮細胞が増殖、線維芽細胞様細胞の変化、線維芽細胞様細胞でのα-SMAの検出がされている。
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