Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2003: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
研究代表者はこれまでに,ヒト天然歯エナメル質と咬合面に用いられる歯冠修復用材料について,それぞれを組み合わせた場合の滑走摩耗試験を行なってきた.その結果,天然歯や材料相互の摩耗傾向は,材料の組み合わせにより大きく異なり,摩耗性は単に材料固有の性質だけではなく,対合した材料によっても大きな影響を受けるとことがわかった.この摩耗傾向の違いに影響を与えると考えられる材料の性質には,硬さ,強度,弾性係数などの物理的性質,表面粗さ,結晶構造,摩擦係数などがいわれているが,何に大きな影響を受けるかは明らかになっていない.そこで今年度は,硬さ,表面粗さ,および材料間の摩擦係数が摩耗傾向に与える影響について検討を加えた.実験に用いた材料は,陶材,硬質レジン,12%金銀パラジウム合金,白金加金,陶材焼付用合金の5種類の歯冠修復用合金とヒト天然歯エナメル質であり,以下のことがわかった. 1.上記材料のビッカース硬さを微小硬さ試験機て測定し,その結果と摩耗試験の結果についてあわせて検討した.両者に相関関係は認められず,硬さが摩耗傾向に与える影響は明らかにならなかった. 2.表面粗さは摩耗傾向に大きな影響を与えなかった.摩耗試験の初期の段階には影響を与えると思われるが,試験の進行とともに,粗さは一定の値となるため,最終的な摩耗量には大きな影響は与えなかった. 3.摩擦係数については,摩耗試験に用いた試料の形態で側定できる装置が存在しなかったため,摩擦抵抗側定装置の改良を試み,測定試験を行なっている.
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