Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
I.方法 (1)口腔内金属修復物の電位と成分および唾液性状との関係 対象は研究対象年に外来を受診した金属アレルギー患者とした.口腔内電位はDMAメーターを用いてマニュアルモードにて測定を行った.唾液性状は,唾液量,唾液緩衝能,細菌数を測定した.その後,金属修復物から微量金属試料を採取し,EPMA分析に供した.このうち金銀パラジウム合金に関して検討を行った. (2)金属アレルギー患者と金属修復物との関係 対象は,1991〜2000年に金属アレルギー外来を受診した金属アレルギー405症例および1993年〜2002年に本学医学部皮膚科を受診した扁平苔癬78症例とした. II.結果と考察 (1)口腔内金属修復物の電位と成分および唾液性状との関係 金銀パラジウム合金の電位は約-100mVから10mVまでの範囲内であった.唾液性状と口腔内電位との間に明らかな相関関係は認められなかった.また,金銀パラジウム合金の主要成分である金,銀,パラジウム,銅と口腔内電位の間にも明らかな相関関係はなかった.しかし,微量添加元素である亜鉛,インジウムに関しては電位によって含有の有無にばらつきがあった.また,微量に硫黄が検出された修復物もあり,これらが電位変化に影響している可能性が示唆された. (2)金属アレルギー患者と金属修復物との関係 金属アレルギー患者においては,金,銀,パラジウム,銅,コバルトの各感査の有無について統計学的な有意差は認められなかった.ニッケルは女性の方が,クロムは男性の方が,有意に陽性率が高かった.また,水銀は特定の年齢層で有意に高かった. 扁平苔癬患者においては,アレルゲン金属除去患者9例のうち7例で症状の改善を認めた.また,口腔清掃を行っている患者では,扁平苔癬の症状改善を認めた症例も数例存在した.従って,金属アレルギーや口腔衛生状態が扁平苔癬に関与している可能性が示唆された.
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