Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
義歯を装着することによって生じる感覚の変化は,患者にとって時に大きな苦痛となり,そのことが義歯装着を妨げる要因になることが多い.そこで,本研究では温度感覚および味覚の客観的評価の確立と床装着時における味覚,触覚および温度感覚の変化を明らかにすることを目的として行った. まず,前年度に引き続き有歯顎者を用い,レジン床(厚さ1.5mm),金属床(厚さ1.5mm,0.5mm)の3種類の実験床を製作し,味覚および厚さの弁別能が,硬口蓋を被覆する材質や厚さによってどのように変化するかについて検討した.その結果,その結果,同じ厚さのレジン床と金属床では差は認められなかったが,厚さ0.5mmの金属床を装着すると厚さの弁別閾値と味覚閾値はいずれも有意に低い値を示した(日本補綴歯科学会誌47-1,48-1). また,温度感覚については味覚と同様に,有歯顎者に対して3種類の実験床を製作し,局所(硬口蓋)と口腔内全体での感覚について検討を加えた.硬口蓋部の温度感覚は,ベルチェ効果を利用した装置を用い,口腔内全体の温度感覚はマグニチュード推定法を用いて測定した.その結果,硬口蓋部では,レジン床≧金属床(1.5mm)>金属床(0.5mm)>非装着の順に,口腔内全体では,レジン床=金属床(1.5mm)≧金属床(0.5mm)>非装置の順に温度感覚が判りにくくなった(2004IADR). さらに,平成15年度大阪府老人大学講座受講生を対象に対面調査を行った.その結果,ろ紙ディスク法による味覚検査では,若年者と比較して高齢者では有意に認知閾値は高い値を示したが,自覚的な味覚に対する不満との間に有意な関連性は認められなかった.さらに,ロジスティック回帰分析により,味覚に対する不満に関連する因子としては,義歯による硬口蓋の被覆および夜間・起床時の口腔乾燥感が挙げられることが示された(第37回日本味と匂学会,2004IADR).
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