重合基を付与したヘム蛋白質を利用する新しい象牙質接着システムに関する研究
Project/Area Number |
14771096
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
補綴理工系歯学
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
平 曜輔 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (40226725)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2003: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | 象牙質 / 接着 / ヘム蛋白質 / 鉄イオン / レジン / プライマー / 樹脂含浸層 / 重合 / ヘム / 蛋白質 / 鉄 |
Research Abstract |
牛海綿状脳症対策特別措置法第7条第2項の法律に従って、牛の特定部位使用許可を得て、実験試料の牛歯を入手した。平成16年度は次のような接着システムを試作し、接着界面の形態学的観察とレジンの重合に関する実験を中心に行った。馬心臓由来のチトクロームc 0.005gとメタクリロイルイソシアネート0.45gを常温で24時間反応させた後、アセトンで数回洗浄し、沈殿物を乾燥して生成物(MIC)を得た。MICを0.2重量%と2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を35重量%含有する水溶液をプライマーとして準備した。研削した牛象牙質を10重量%リン酸水溶液で30秒間エッチング処理した後、本プライマーを塗布し、ポリメタクリル酸メチル、トリブチルホウ素重合開始剤から成る化学重合型レジンを用いて金属棒と接着した。接着した試験片の断面を1Nの塩酸に30秒間、次いで1重量%の次亜塩素酸ナトリウムに10分間浸漬した後、表面を金蒸着し、走査型電子顕微鏡で観察した。その結果、コントロールのプライマーを塗布しなかった試料では、象牙質とレジン間の界面が剥離していた。MICを含有しないHEMA水溶液をプライマー塗布した場合は、樹脂含浸層が認められたが、MICを添加した場合に比べて、樹脂含浸層内部や象牙質とレジンの界面に多くの亀裂が認められた。熱電対を用いてレジンの重合時間を測定したところ、本化学重合型レジンのみでは8.6分、レジン0.06gに35重量%HEMA水溶液15μlを添加すると8.7分であったのに対し、0.6重量%MIC含有の35重量%HEMA水溶液を15μl添加した場合は7.8分と早くなった。接着界面付近の重合度測定は、微小な局所から必要量のサンプルを正確に採取することが課題となった。以上のことから、リン酸エッチングによって脱灰された象牙質表層ヘレジンモノマーが浸透し、その後MICによって接着界面付近の重合が促進されたことが、接着強さの改善に寄与しているのではないかと推察された。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)