Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥200,000 (Direct Cost: ¥200,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
本研究は骨細胞様細胞抹MLO-Y4へのフッ化物添加における細胞の増殖を検索すると共に骨のホメオスターシスに重要な役割を担っていると考えられる、Gap Junction蛋白connexine43の発現および局在を検索した。細胞には、骨細胞様細胞株MLO-Y4およびコントロールとして骨芽細胞株MC3T3-Elを用いた。細胞培養はType I collage-coated dishesにて、10% fetal bovine serumを含むα modified essential medium (αMEM)を用いた。フッ化物はNaFを用い、NaF濃度を0.1ppm,1ppm,10ppm,100ppmに調製し、細胞に添加した。細胞増殖能の測定は、96 well Type I collagen-coated microplate (Iwaki Glass, Japan )に細胞数6.4×10^3個/200μlを播種し、24時間培養した後、各濃度のNaF無血清mediumを添加し、24,48,72時間後に無処理細胞およびNaF処理した細胞の増殖能をXTT assayにより評価した。また、MAP kinase inhibitor UO126 1OμMを無処理細胞および100ppm NaF処理した細胞に添加し、同様に増殖能を評価した。細胞分化能の測定は、無処理細胞および各濃度のNaF処理した細胞からtotal RNAを抽出した。1μgのtotal RNAはoilgo(dT)^<12-18>plrimers(Gibco BRL, USA)およびSuperscript reverse transcriptate (Cibco BRL, USA)を用いcDNAを作成した。それぞれのcDNAは、Light cycler^<TM>(Roche, Switzerland)を用い、骨細胞の分化のマーカ-であるType I collagen, alkaline phosphataseおよびOsteocalcin mRNAの定量的RT-PCRを行った。Gap Junction蛋白connexin 43の局在の検索は、無処理細胞および各濃度のNaF処理した細胞を4%パラホルムアルデヒドで固定後、anti-rabbitconnexin43を用いて免疫染色し、共焦点レーザー顕微鏡にて染色部位を定量化した。その結果骨芽細胞では、フッ化物添加により細胞増殖するといわれているが、MLO-Y4でも同様に細胞増殖が認められた。MAP kinase inhibitorを添加した場合、細胞増殖が抑制されたことから、MAP kinaseを介するシグナル伝達が関与することが示唆された。しかし、細胞分化能の検索では、NaF各濃度におけるType I collagen, alkaline phosphatase, Osteocalcin mRNAの発現に有意な差が認められず、これは骨細胞が最終分化した細胞であるためと考えられた。また、Gap Junction蛋白connexin 43発現に有意な差は認められなかった。 以上のことから、骨細胞に対するフッ化物の添加は、細胞の増殖を促すが、分化には関与せず、骨細胞が増殖する際にも細胞間ネットワークの維持が保たれていることが示唆された。
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