Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
加齢による歯内線維芽細胞DNA修復活性の変化:北海道医療大学附属病院を受診した患者の中から全身疾患の既往歴のない若年者(10歳〜20歳代),高齢者(50歳代以上)を選択し被験者とした。インフォームドコンセントを得た後,抜歯時に抜歯歯周囲の歯肉から歯肉片を採取した。採取した歯肉片からout-growth法によって歯内線維芽細胞を分離した。本研究では,7代継代培養した細胞(7代継代細胞)と14代継代培養した細胞(14代継代細胞)を使用した。歯肉線維芽細胞にTNF-α添加し人工的ストレスを発生させた。その後,2時間おきに細胞と上清を回収し細胞中および培養上清中の8-OhdG産生量を市販のキットにより測定しDNA傷害の程度を評価した。その結果,継代回数の少ない細胞では8-OhdGの産生量がTNF-α添加後より早く非添加群と同程度の量にまで減少した。 Porphyromonas gingivalis由来の病原因子による歯内線維芽細胞のDNA傷害P.gingivalis由来の病原因子(リポ多糖,gingipain等)および炎症性サイトカイン(IL-1β,IL-6等)を培養系に添加して細胞にストレスを与えた。細胞および培養上清を回収した8-OhdG量を測定した結果,分離した細胞株により傷害の程度に差はあるが,酸化的傷害を受けることが明らかになった。 歯肉線維芽細胞のテロメア長の測定:二分離した細胞からDNAを抽出し,テロメアの配列に特異的なプライマーを用いたPCR法により増幅されたcDNAをアガロース電気泳動にて比較することによってテロメア長を測定した。その結果,分離したヒトの年齢とテロメア長の間には統計的に明らかな関連は認められなかった。 本研究の結果から,加齢に伴って歯肉線維芽細胞のDNA修復活性が低下することが歯周病の進行と関連する可能性が示唆された。
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