黄色ブドウ球菌の複製開始因子DnaAの生化学的解析とその活性制御因子の新規同定
Project/Area Number |
14771272
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黒川 健児 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (80304963)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | DNA複製 / グラム陽性菌 / 黄色ブドウ球菌 / DnaAタンパク質 / 塩基性リン脂質 / mprF遺伝子 / dnaD遺伝子 / DnaA蛋白 / ATP結合 / 酸性リン脂質 / oriC |
Research Abstract |
グラム陽性のブドウ球菌とグラム陰性の大腸菌でDNA複製の開始調節機構に普遍的側面と種特異的側面があることが、細菌ゲノムの遺伝子組成の比較から明らかになっている。ブドウ球菌の複製開始の調節機構の解明を目的とし・その調節に重要な役割を担うと予想される複製開始因子DnaA蛋白の生化学的解析に着手した。 精製したブドゥ球菌DnaA蛋白は、ATP、ADPに対しKd値としてそれぞれ1nM、5nMと高い親和性を示した。またブドウ球菌の複製開始領域oriCをATP依存に開裂した。従って、ブドウ球菌においてもDnaA蛋白のヌクレオチド結合型の制御によって複製開始が調節されることが示唆された。 DnaA蛋白のADP型からATP型への再活性化は膜の酸性リン脂質によって行われ、この機構は大腸菌の増殖に心須とされる。ブドウ球菌は環境の変化に伴い膜の脂質組成を大きく変動する。ブドウ球菌DnaA蛋白のヌクレオチド結合に対する膜の効果を検討した結果、DnaA蛋白の活性制御因子として、膜の塩基性リン脂質リジルフォスファチジルグリセロール(L-PG)を見出した。さらにL-PGを欠損する変異株の解析から、L-PGが細胞周期の制御に関与することが示唆された。また、mprF遺伝子産物が、L-PG合成酵素であることを示唆する生化学的知見を得た。 ブドウ球菌の複製開始機構を解明する目的で、DNA複製に関与する温度感受性変異株の分離と解析を行った。その結果、グラム陽性菌に特有で複製開始に必須な遺伝子、dnaDの温度感受性株を新規に二株得た。このうち一株は複製開始段階に加え、複製伸長反応にも欠損があることを見出した。従ってDnaD蛋白が染色体複製の開始段階だけでなく、伸長段階、あるいは終結の段階にも必要であることが初めて示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)