Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
1.慢性炎症性疾患患者(中耳炎)組織におけるTLR2の発現 中耳炎患者におけるTLR2の発現量を免疫染色法を用いて検討した.その結果,中耳炎患者における中耳上皮組織のTLR2の発現量は,健常者におけるそれに比べ,高いことが明らかになった. 2.NTHi感染によるTLR2遺伝子の発現上昇への抗炎症薬の影響 TLR2遺伝子発現を特異的にコントロールできる薬剤は,炎症反応および免疫反応の制御において重要な意義を持つと考えられる.そこで,従来から強力な抗炎症薬として知られるグルココルチコイド製剤dexamethasone(DEX)の,TLR2発現上昇への影響を調べた.興味深いことに,DEXの投与は,NTHi感染によって誘導されるTLR2 mRNAの発現誘導を増強した.DEXの効果がグルココルチコイド受容体(GR)を介したさようであるか否かを,その拮抗薬であるRU486を用いて検討した.その結果,DEXによるTLR2の発現上昇は,GRを介した行われることが示唆された.次に,GRを介したDEXのTLR2発現上昇機構のメカニズムの解明を行った.まず,DEXがp38MAPK経路に影響を与えるか否かを検討したところ,興味深いことに,DEX処理によりNTHi誘導性p38MAPK活性化(p38MAPKのリン酸化)が抑制された.一方,DEXは,p38MAPKのリン酸化を誘導する上流分子であるMKK3/6の活性化には影響を与えなかったことから,DEX/GR complexによるp38 MAPK活性化阻害がTLR2発現増強には重要であることが示唆された.
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