脳梗塞予防に対するHMG-CoA還元酵素阻害薬の作用メカニズムに関する研究
Project/Area Number |
14771335
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用薬理学・医療系薬学
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
池田 康彦 浜松医科大学, 医学部, 助手 (50293618)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 脳梗塞 / プラバスタチン / Srk kinase / スタチン / 脳虚血 |
Research Abstract |
高脂血症治療薬であるHMG-CoA還元酵素阻害薬いわゆるスタチンの虚血性脳傷害に対する保護作用が報告されているが、そのメカニズムの詳細は不明である。スタチンが血管内皮細胞のバリアー機能を保護することも報告されており、スタチンの脳保護作用が血管透過性を抑制することによるものである可能性も考えられる。近年、虚血性脳傷害の進展にSrc kinaseが関わっていることが報告されている。Src kinaseは血管透過性を増強するvascular endothelial growth factor (VEGF)のシグナリングに関与しており、Srcを抑制することが脳浮腫の形成を抑制し、虚血時における脳傷害を軽減する可能性がある。しかし、スタチンとSrcとの関連性を検討した論文は未だ報告されておらず、虚血後の脳におけるSrc kinase activityを検討することはスタチンの薬効を解明する可能性が考えられる。そこで光増感反応を応用したラット中大脳動脈血栓モデルを用いて、脳梗塞サイズに対するスタチンの影響を検討した。プラバスタチン20mg/kgを5日間ラットに腹腔内投与し、上記モデルにより中大脳動脈を閉塞し24時間後の脳梗塞サイズを対照群と比較した。脳梗塞サイズは、大脳半球に対して対照群が36.4%(n=5)であったのに対し、プラバスタチン群が37.6%(n=6)と有意な差は認められなかった。また神経症候においても差は認められなかった。次に同モデルにおけるラットの脳内Src kinase活性を測定した。プラバスタチン2,20mg/kgを14日間ラットに腹腔内投与し、同モデルにて中大脳動脈を閉塞した。1時間後に脳を取り出し、大脳皮質を虚血部位、虚血周辺部位に分けてhomogenizeし、Western blotting法により活性を測定した。しかし虚血部位、虚血周辺部位ともにプラバスタチンによるSrc kinase活性の抑制効果は認められなかった。 シンバスタチンなど他のスタチンの脳保護作用が報告されているにも関わらず、今回の検討においてプラバスタチンが脳梗塞抑制効果を示さなかった理由としてプラバスタチンが水溶性であることが考えられるが、少なくともスタチンの脳保護作用においてSrc kinaseの関与は少ないと考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)
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[Publications] Zhao BQ, Ikeda Y, Ihara H, Urano T, Fan W, Mikawa S, Suzuki Y, Kondo K, Sato K, Nagai N, Umemura K.: "Essential role of endogenous tissue plasminogen activator via matrix metalloproteinase 9 induction and expression on heparin-produced cerebral hemorrhage after cerebral ischemia in mice."Blood. In press.