活性化酸素種産生アントラサイクリンの発現誘導する遺伝子群の同定とその発現機序
Project/Area Number |
14771350
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Laboratory medicine
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
柴倉 美砂子 岡山大学, 医学部, 助手 (30314694)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | アントラサイクリン系抗癌剤 / ケモカイン / サイトカイン / ウロキナーゼ / マイクロアレイ法 / 癌・浸潤・転移 / 活性化酸素種 / IL-8 / MCP-1 |
Research Abstract |
筆者らは、RC-K8ヒト悪性リンパ腫細胞株とH69ヒト小細胞肺癌細胞株において活性化酸素種を誘導するアントラサイクリン系抗癌剤ドキソルビシン(doxo)がウロキナーゼ(uPA)の発現を誘導することを報告した(Int J Cancer.93:792-797,2001)。マイクロアレイ法を用いてdoxo刺激により発現誘導される遺伝子の同定を行ったところ、uPA以外にIL-8遺伝子が強く誘導された。IL-8の抗原量及びmRNAの発現量ともに上昇していることをH69とSBC-1ヒト小細胞肺癌細胞の2つの細胞株で確認した。IL-8プロモーター領域結合CATレポーター遺伝子を用いた遺伝子導入実験やGel shift assayによりdoxo刺激によるIL-8の遺伝子発現上昇にはPEA3転写因子結合領域が重要であることが判明した。 RNase protection assayにより新たにdoxoによりmonocyte chemoattractant protein-1 (MCP-1)遺伝子発現上昇が生じることも判明した。これらの研究結果はInt J Cancer. (103:380-386,2003)に報告し、2003年9月2nd International Conference on Thrombosis and Hemostasis Issues in Cancer (Bergamo, Italy)にて口演発表した。doxo刺激によるTNF-αの発現誘導も証明され、各肺癌細胞におけるdoxoに対するサイトカイン及びケモカイン発現の相違についてCancer Chemother Pharmacol.(52:391-398,2003)に報告した。doxo刺激により活性化されるシグナル伝達経路をwestern blotにて同定し、H69細胞におけるIL-8発現に関与する経路を各MAPカイネース阻害剤にて検討したところ、これらの発現にはERK1/2が関与していることが判明した(論文投稿中)。マトリゲルチャンバーを用いた末梢血白血球浸潤活性にて、doxo刺激後のH69培養上清は優位に好中球や単球の浸潤活性を上昇させていることを確認し第65回日本血液学会総会にて発表した。 新規アントラサイクリン系抗癌剤アムルビシンもdoxo同様にuPA、IL-8及びMCP-1を発現誘導することRT-PCRやELISAにて明らかにした。アムルビシンはdoxo強く遺伝子発現を誘導していたため、アムルビシン刺激後のH69細胞培養上清をウサギ皮下に投与したところ好酸球の優位な浸潤を認め、新たにeotaxin-3の発現誘導を確認した。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)