Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
今年度が最終年度となるために,これまでの研究の総括となる現地調査を,平成17年8月30日から同年9月10日まで,バスク自治州において実施した。その際に,バスク自治州政府言語政策局の担当者らから最新の社会言語学的調査に関する情報を提供いただき,さらにバスク統計局EUSTATにて最新の2001年センサスデータ関連情報を入手した。従来のデータにこれら最新のデータを加えて分析を実行し,バスク自治州における言語空間構造を地図化した。その結果明らかになった現象は,母語がバスク語以外の言語でありながら,新たにバスク語能力を獲得した「新バスク語人口」が増加傾向を維持しているということである。さらに,新バスク語人口増加は,バイリンガル教育モデル導入による初等・中等教育レベルにおけるバスク語教育の推進という行政サイドによる制度的支援が最大の要因であることが確認できた。 しかしここでデータをさらに分析することにより,バスク語能力の向上が,バスク語使用の普及に必ずしも連動していない事実が明らかになった。今後の制度的支援は,バスク語能力の世代間伝達とバスク語使用の普及も対象に入れたものとなる必要があるため,より広範な社会言語学敵領域を対象とした政策展開が必要となる旨,指摘した。以上の内容は,研究成果報告書にて詳細に報告した。 また,今回の現地調査が都市部を重点的に実施するものであったために,平行して都市再生のプロセスに関する調査も実施した。その中で,グローバルな文脈で進行する都市再生のプロレスと,バスク独自の文化的要素,これらの対峙という現象も観察され,今後の研究課題として残った。
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