ウコギの生理活性を利用した生食用大量調理食材の品質保持に関する研究
Project/Area Number |
14780086
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
食生活
|
Research Institution | Yonezawa women's junior college |
Principal Investigator |
田村 朝子 山形県立米沢女子短期大学, 健康栄養学科, 助教授 (60240991)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
|
Keywords | ウコギ / 抗菌性 / 大量調理 / 殺菌 / ぶどう球菌 / 大腸菌 / サルモネラ菌 / セレウス菌 |
Research Abstract |
【目的】 集団給食施設では、生食用食材の殺菌・消毒に次亜塩素酸ナトリウムが用いられている。しかし安全性や簡便性を考えた場合、天然食材を用いることが望ましいと考える。そこで天然食材「ウコギ」の品質保持(抗菌、酸化防止、鮮度保持)効果を明らかにし、食材用消毒剤として応用することを目的として研究を行った。 【方法・結果】 (1)ペーパーディスク法及び比濁法によるウコギの抗菌試験 凍結乾燥粉末にしたウコギ葉を水および沸騰水で抽出し、抗菌試験用溶液とした。これをペーパーディスク法で、Escherichia coli IAM 12119,Bacillus cereus IAM 12605,Staphylococcus aureus IAM 12544,Salmonella typhimurium IFO 12529に対する抗菌性を確認した。また、次亜塩素酸ナトリウム溶液、酢酸溶液、紅茶、緑茶とも比較した。その結果、ウコギは、水抽出液より沸騰水抽出液で高い抗菌性が認められた。またウコギは、紅茶、緑茶、1ppm次亜塩素酸Na溶液よりも高い抗菌性を示し、1%酢酸溶液とほぼ同等の抗菌性を示した。 (2)溶媒分画液による抗菌試験 (1)で用いた4細菌に対してペーパーディスク法、比濁法で抗菌性および菌体増殖抑制効果を検討した。ブタノール分画液が最も高い抗菌性を示し、中でもStaphylococcusに対して効果が高かった。菌体増殖に対しては、酢酸エチル分画液を培地に添加し5℃で培養を行うと、いずれの細菌に対しても培養4時間までに強い細菌増殖抑制効果が認められた。 (3)生食用食材へのウコギ抽出液添加試験及び官能検査 カット野菜としてよく用いられる千切りキャベツ、玉ねぎスライス、もやしを用意し、ウコギ沸騰水抽出液、水抽出液、次亜塩素酸Na溶液、酢酸溶液にそれぞれ10分間浸漬後、流水洗浄(ウコギは浸漬のみ、流水洗浄の2種類)し、5℃、37℃に48時間保存し、生菌数を計測し抗菌効果を比較した。その結果、ウコギ沸騰水抽出液で浸漬処理したものが、4時間までサルモネラ菌、酵母・糸状菌類が検出されず、大腸菌群も次亜塩素酸Naと同等の菌数であった。また、ウコギで浸漬処理を行ったものは、他の溶液で処理したものと官能的に全く遜色はなく、むしろおいしいという評価であった。 以上の結果から、ウコギ沸騰水抽出液は、食材の消毒剤として充分に活用可能であるといえる。
|
Report
(2 results)
Research Products
(7 results)