Project/Area Number |
14780181
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
計算機科学
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
照井 章 筑波大学, 数学系, 助手 (80323260)
|
Project Period (FY) |
2002 – 2003
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
|
Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | 近似代数 / 数式処理 / 代数方程式 / 多項式剰余列 / 部分終結式 / Sturm法 / 計算代数 / 近似的代数計算 |
Research Abstract |
本年度はまず、係数に有界な誤差をもつ1変数代数方程式に対し、係数の摂動によって取りうる実根の最大個数を、m重根をm個の根と数えた上で見積もるための実際的な方法について研究を行った。 前年度までの研究で、多項式剰余列を繰り返し計算した「再帰的な多項式剰余列」に対し、通常の部分終結式と同様の性質をもつ「再帰的な部分終結式」を定義し、再帰的な部分終結式の係数を与えられた多項式の係数を要素とする行列式の定数倍で表せることを導いていた。そこで、与えられた多項式の再帰的な部分終結式において、係数を表す行列式の零判定を行う実際的な方法を見出し、それをもとに、与えられた方程式の係数の摂動に対応して実根の個数を実際的に見積もる方針の下で、算法の開発を試みた。 再帰的な部分終結式の係数を表す行列式の零判定には行列の特異値分解を用いたが、多項式の次数が30次程度で、再帰的な多項式剰余列の再帰の深さが3〜4程度になると、行列式の次数は1000〜3000程度になる場合があった。そして、計算機を用いた特異値分解の数値計算には20分〜2時間弱程度の時間を要し、計算された特異値から得られる係数の摂動の許容度の見積りも微小で実用的ではなかった。今年度中は、実根の最大個数を見積もる実用的な算法の開発には至らなかった。今後は、特異値分解の算法の改善等により、計算効率と係数の許容度の改善が望まれる。 次に、本年度の第2の研究として、1変数代数方程式の微小根の上界に関する定理を用いて、1つの近接根クラスタに含まれる近接根の計算の研究を行った。これは求める近接根の位置と多重度は既知とし、微小根の上界に関する定理を用いて近接根の存在領域を見積もった上で、変数変換によって近接根を拡大し、反復計算で近接根を求めるものである。 これについては、実験を行った結果、実用的な精度と効率で近接根を計算できる可能性が高まった。今後は算法のさらなる向上を目指す。具体的には、反復式に現われる因子について、その導出時の計算効率を高めることと誤差評価を行い、実験を行って各種問題に対する本算法の効果を確かめる予定である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(1 results)