Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
本年度は,実用レベルの形状認識システムを実現するために,主に次の二項目に関して検討を進めた。 (1)アルゴリズムを改良し,認識性能の更なるロバスト化を図る。 (2)形状入力から認識・検出までの一連の処理を,GUIを駆使したシステムとして統合化する。 まず(1)については,昨年度に開発済みのアフィン変換に不変な多角形図形検出アルゴリズムについて,様々な条件下での評価実験を実施した。その結果,(a)安価なカメラでは(照明条件その他の)撮影状態を厳密にコントロールすることが極めて困難であり,結果として前処理段階(画像入力→輪郭線抽出→線分近似まで)での出力結果が毎回異なってしまう,(b)部分的な欠損の大きい図形を検出対象とした場合には投票値がうまく集積せず,検出に失敗する場合がある,といった問題点が明らかとなった。そこで本年度は,まずは劣化した濃淡画像からでも安定して輪郭線画像を得ることができるようなエッジ抽出法として,最適フィルタの一種であるISEFを改良した形の新しい手法を開発した(研究発表欄参照)。また,不連続な輪郭線画像からでも高精度かつ安定に線分の情報を抽出するための手法として,輪郭点列に対してハフ変換的な円当てはめを行い,続けてM推定法(重み付き最小二乗法)によって検出パラメータを補正する,という手法を新たに考案した。さらに現在は,本手法の更なるロバスト化を図るため,線分情報の欠落があった場合でも対処できる形へのアルゴリズムの拡張を試みている。現時点では,理論的検討をほぼ終了し,インプリメント/実験による評価に着手しようという段階である。 次に(2)については,ユーザ・フレンドリーなGUIシステムを比較的容易に作成できることで知られるTcl/Tkというコンピュータ言語を採用し,本システムの実装を試みた。今のところ認識モジュールの組み込みまでは終了しているが,今後,画像(形状)入力部までを統合化して独立したシステムとして完成させる必要がある。そして,本研究の成果をベースとして,本システムの一層の実利用化を図っていきたいと考えている。
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