Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
多期間の確率計画問題は、時間について離散的なモデルを想定すると、シナリオツリーを用いた表現が可能である。これらの問題はタイプによっては動的計画法によるアプローチも可能であるが、状態変数の次元が大きい場合には必ずしも実用的ではない。数値計算を主眼とした手法として確定等価な問題に変換し、一期間問題として解く.アプローチがある。これは実用上しばしば用いられているものの、問題のサイズが時点数に関して指数的に増加するため、計算の面で一定の限界が存在する。本研究では、線形制約と2次型の目的関数を持つ問題に対して、次のような近似的アプローチをとった。1)ある期間以降問題の構造が一定であると仮定2)最終期において、双対変数が既知であると仮定して、価値関数を評価3)以後、再帰的に定義される価値関数をさかのぼって評価4)近似開始期間における価値関数を、双対変数を含んだ形で導出5)最終的に、主変数と双対変数の双方を計算この方法により、一定の精度を持って、多期間の問題を解くことができた。