Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Research Abstract |
本研究課題においては,線形ポールトラップ中に捕捉したカルシウムイオンをレーザー冷却により極低温化してクーロン結晶を生成し,これを引きだすことによりナノ・イオンビーム源とすることを目標とした. ここでは捕捉・冷却の対象としてカルシウムイオン(^<40>Ca^+)を用いた.カルシウムイオンをレーザー冷却するには波長397nmの青色レーザーと波長866nmの赤色レーザーが必要である.これらには取り扱いの容易さ,コストを考慮して外部共振器型波長可変半導体レーザーを使用した.青色レーザーに関しては本研究補助金により出力13mW,線幅8MHzの市販のシステムを購入した.赤色レーザーは,部品単位で購入し,出力20mW,線幅5MHzのシステムを製作した.この線幅より評価した到達温度は約20mKである.この程度まで冷却すればイオンがクーロン結晶化することを粒子間クーロン相互作用を考慮した数値シミュレーションにより確認した. イオンを捕捉する線形ポールトラップシステムも新たに製作した.このシステムは二つの線形ポールトラップを直列に接続した形となっている.まず一方のトラップでイオン化を行い,カルシウムイオンの単一化を行なったあと,もう一方のトラップへとイオンを移送し,捕捉,実験を行なう.このように,イオン化を行なう領域とクーロン結晶化する領域を独立させることにより,電極の汚染による電場の乱れを最小限に抑えることが出来る.イオンを効率良く移送するために,三次元汎用電磁界解析ソフト(MAFIA)により解析した電場分布を用いた数値シミュレーションと実験の両面から移送条件の最適化を行なった. 上記のシステムを用いて,捕捉したカルシウムイオンにレーザーを照射し実験を行なったが,現在までのところ残念ながら,クーロン結晶の生成には成功していない.これはレーザーの波長安定性が原因であり,波長を安定化すれば上記システムによりクーロン結晶を生成することは十分に可能であると考える.現在レーザーの波長を安定化させるためのシステムを製作中である.
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