Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
核融合炉材料の照射硬化の原因となる照射誘起欠陥と運動転位の動的相互作用の直接観察による硬化因子の同定および硬化量の定量的評価手法の確立を目的として,従来用いられてきた手法を遥かに上回る精密さを期待できる下記の手法を検討し確立した. 高エネルギー粒子線照射設備として,京都大学エネルギー理工学研究所設置の高度エネルギー機能変換実験装置/材料実験装置(DuET)を使用した.DuETでは照射温度や損傷速度を広範囲で変化させることができるため,照射誘起欠陥の種類や分布を選択的に得ることが可能となった. TEM内引張その場観察試験用試料の作成に関しては,デュアルイオン(Fe^<3+>およびHe^+)照射した試料に対して,収束イオンビーム加工観察装置(FIB)による手法を検討するとともに電解研磨法の高度化により確立した.その場観察の録画に関しては,既存の設備であるハイビジョンCCDカメラを有効に利用し,民生用デジタルビデオ技術を採用することにより安価に構築することに成功した. 本手法によるモデル研究として,酸化物分散強化(ODS)フェライト鋼中のイットリア分散粒子と運動転位の相互作用のTEM内引張その場観察を行い,分散粒子による転位の強いピン止め効果を直接確認することができた.照射誘起欠陥集合体(転位ループやキャビティ)の形成による照射硬化現象は,分散強化もしくは析出強化のモデルを応用して説明されているため,分散強化で確立した評価手法は,照射硬化の評価にも有効であると考えられる. 本研究で確立された手法は,核融合炉材料の経年劣化評価あるいは予測を行う上で,有用な知見を提供するものである.
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