Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本年度では,メタノールによる熱エネルギー輸送システムの熱輸送過程について,液相におけるガスの輸送過程とシステムの輸送効率についてシミュレーションを行った。また,化学反応を伴う熱交換器の最適設計の基礎データとして,ガスの伝熱特性を検討した。 液相におけるガスの輸送過程について,液相メタノールにおける一酸化炭素気泡の溶解・拡散過程をシミュレーションした。その結果,初期気泡径が約0.25mm以内にある場合,実験値と数値解析値とはよく一致しているが,気泡径がそれより大きくなると,密度差に基づく対流のため気泡が早く溶解することになる。そして,メタノール,蟻酸メチル,水素,一酸化炭素に関する気液平衡,溶解平衡のデータを用い,メタノールシステムのシミュレーションを行い,分解-輸送-合成のプロセスシミュレーションより反応率と熱輸送効率の関係を明確化した。その結果,熱輸送効率は反応速度と共に増加し,反応率が90%では,熱輸送効率は75%であった。主たるエネルギー損失は熱回収部での蒸留操作並びに昇圧操作であった。エネルギー輸送方法として,蟻酸メチルを介在した2段階メタノール合成法,メタノールー段法,蒸気,高温水,電力輸送などが考えられる。輸送距離が30キロとした場合,温熱利用(60℃)時の熱輸送効率はメタノール2段法が優れていることが解った。従って,従来の技術に対比して,より経済的なエネルギー輸送システム構造が可能と期待される。さらに,水素,一酸化炭素ガスなどの熱輸送特性を解明するため,ヘリウムガスを用い,ガスの定常並びに非定常強制対流伝熱係数を測定し,流速,温度等の影響を明らかにした。熱伝達率はレイノルズ数の0.5乗に比例して増加することが解った。これらの基礎的データは将来化学反応を伴う熱交換器の最適設計に寄与できると考える。
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