蛋白質の大量発現で形成される封入体の固体核磁気共鳴法による構造解析
Project/Area Number |
14780502
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
梅津 光央 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (70333846)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 封入体 / 蛋白質発現 / 蛋白質巻き戻し / 固体NMR / 蛋白質可溶化 |
Research Abstract |
昨年度は、ニワトリ卵白リゾチーム(HEL)を特異的に認識する抗体HyHEL10の一本鎖Fv断片(HyHEL10-scFv)が形成する封入体の構造解析を中心に行ってきたが、今年度は超好熱古細菌Pyrococcus horikohii OT3由来蛋白質の大腸菌発現で得られる封入体の構造解析とその構造を利用した巻き戻し法の開発を行った。まず、超耐熱性蛋白質が形成する不溶性顆粒のFT-IRスペクトルを測定したところ、他のものとは異なり非常に天然型構造と類似した二次構造を形成していることがわかった。さらに、二次元固体NMR法からValやAlaのCβ・Cγ化学シフト値を求めたところ、天然型と類似したαヘリックスの存在も確認され、超耐熱性蛋白質の二次構造は大腸菌内の発現で非常に速い時期に二次構造が形成されていることが示唆された(梅津他,FEBS Letters 557,49-56(2004))。 次に、超耐熱性蛋白質に関して、不溶性顆粒中の構造を考慮した蛋白質再活性を試みたた。まず、不溶性顆粒の構造を変性させないで可溶化する方法として低濃度のカオトロピック剤を用いた。その結果、2Mグアニジン溶液で目的蛋白質は構造を保ちながら可溶化することがわかった。そして、そこから、アルギニン溶液を介してグアニジンを透析により除去していくと、高効率で蛋白質は天然型へ巻き戻り、耐熱性を示した。 さらに、この手法を緑色蛍光蛋白質にも応用したところ、2Mグアニジン溶液ではなく2Mアルギニン溶液を用いることによって、天然型と同じ活性を持つ巻き戻りタンパク質が速やかに形成された。(津本,梅津他,Biochemical Biophysical Research Communications 312,1383-1386(2003))。 以上から、不溶性顆粒中でも発現蛋白質はある程度天然型構造を形成しており、その構造を利用した蛋白質再活性法は十分可能であり、従来の手法よりも非常に簡便になることを示すことができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)