微小管結合蛋白質の1次元拡散〜微小管はシグナル伝達装置として機能し得るか?〜
Project/Area Number |
14780505
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biophysics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 裕一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (50323499)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 微小管 / モータータンパク質 / 1分子イメージング |
Research Abstract |
微小管の分子機能を新しい観点から検討するため、微小管に沿った1次元拡散運動がモータータンパク質に一般的に見られるか、さらにはモータータンパク質以外でも見られるかについて、1分子蛍光イメージング法を用いて調べた。 まず微小管系モータータンパク質として、キネシン変異体とダイニンについて調べた。 キネシンはネックリンカーと呼ばれる部位を欠損させると、正常な一方向の1分子運動を行うことができなくなったが、ADPによってアフィニティを下げると両方向性の1次元拡散が見られた。また、ダイニンについては、ウニ精子鞭毛から抽出した外腕ダイニンを用い、微小管結合への新しい機能性プローブとして蛍光ヌクレオチドによって微小管相互作用を調べたが、微小管上での1分子運動は確認されなかった。 次に、微小管系以外のモーターにおいて、骨格筋ミオシンはアクチン系モータータンパク質でありながら微小管とも結合することを見出し、多分子の条件下においては1次元拡散することを発見していた。この運動が1分子でも見られるかを、さまざまな条件下で検討するため、ヌクレオチドやイオン強度、pH等の溶液条件を変化せると、微小管へのアフィニテイは変化したが、1分子による1次元運動は観察されなかった。同様に、モーター以外のタンパク質として、MAPs、H-ras、BSAなどについても1次元拡散は観察されなかった。 これらの結果から、微小管上を一次元的に長距離に渡って相互作用するのはモータータンパク質のみでかつ、限られた条件下であり、タンパク一般に見られる現象ではないことが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)