ゼブラフィッシュ胚発現系を用いた軸索誘導制御機構の解析
Project/Area Number |
14780569
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Nerve anatomy/Neuropathology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松田 尚人 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40313100)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / 神経分化 / 視覚系 / 分子シャペロン / 軸索誘導 / Aキナーゼ / 嗅神経 / 視神経 / Glycogen synthase klnase-3β |
Research Abstract |
ゼブラフィッシュ胚発現系による逆遺伝学的アプローチに加えて、trimethylproralen(TMP)変異法による順遺伝学的アプローチにより神経発達の分子メカニズムの解明を行った。ゼブラフィッシュ精子へのTMP処理によりランダム変異を起こさせ、2世代スクリーニングにより確立したno tectal neuron(ntn)変異体は、眼と視蓋におこる神経変性が特徴である。TMPが欠失変異を誘発する可能性が高いことから、変異体ゲノム中の欠失を直接同定することを目指し、全ゲノムサブトラクションrepresentational difference analysis(RDA)法を用いて変異体ゲノムからの原因遺伝子の単離を試みた。5種類の制限酵素を用いてRDAを行ったところ、19のRDA産物を得た。この産物を用いて、ntn領域の遺伝地図、物理地図を作成した。ntn領域を含むYACクローンから約300のcDNAを単離し、RT-PCRによりchaperonin containing TCP-1(CCT)γサブユニット遺伝子に143bpの小欠失を同定した。CCTγ遺伝子を変異体に微量注入することにより、形質が野生型に回復し、原因遺伝子であることを明らかにした。これらの結果は、TMP変異法が実際に欠失変異を誘発したこと、RDAクローニング法が極めて有効なクローニング法であることを意味し、ゼブラフィッシュの遺伝学の新規方法論の開発に成功したことを示す。網膜神経節細胞の初期分化マーカーニコチン性アセチルコリン受容体β3サブユニット遺伝子プロモーター制御下に発現させたgreen fluorescent protein(GFP)による解析で、ntn変異体は網膜神経節細胞の分化障害が明らかとなった。同様に、抗アセチル化チューブリン抗体染色では、中脳視蓋神経細胞のニューロピルが欠損し、分化障害が示唆された。CCTγ蛋白は全身に発現しているが、CCTγ蛋白の変異体は網膜と視蓋特異的に表現型を認めたことは、CCTγがアクチンやチューブリンだけでなく未知の基質を持つ可能性を示唆する。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)