チロシンリン酸化による神経伝達物質放出の抑制的制御機構の解明
Project/Area Number |
14780578
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurochemistry/Neuropharmacology
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
大西 浩史 群馬大学, 生体調節研究所, 講師 (70334125)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 蛋白質チロシンリン酸化 / 神経シナプス / 神経軸索 / 樹状突起 / 細胞間相互作用 / 神経伝達物質 / SHIPS-1 / CD47 / SHPS-1 |
Research Abstract |
蛋白質チロシンリン酸化による神経伝達物質放出の抑制的制御の分子メカニズムを明らかにする目的で、シナプス前部において抑制的制御に関与するチロシンリン酸化シグナルを検索している。その過程で、昨年度は、蛋白質チロシンキナーゼであるSrcファミリーの基質となる受容体型膜蛋白質、SHFS-1が、その細胞外リガンドであるCD47に比べて神経細胞の軸索に強く発現していることを見出した。これらの発見はSHPS-1が軸索側に、CD47が樹状突起側に局在し、極性を持った細胞間シグナルシステムを構築している可能性を示唆している。本年度は、SHPS-1の細胞内領域の機能について解析を進め、SHPS-1の細胞内領域が様々な形でSHPS-1の機能制御に関わることを明らかにした。またSHPS-1のリガンドであるCD47についても解析を進め、神経芽細胞腫由来細胞株においてCD47の過剰発現により神経様突起の伸長が促進され、さらにSHPS-1との相互作用によりフィロポディア形成が誘導されることを見出した。SHPS-1とCD47は相互作用によって細胞間シグナル系を構成し、免疫系のマクロファージにおける貪食作用や細胞融合に重要な機能を果たすことが知られており、SHPS-1とCD47の相互作用は細胞膜の運動や融合と深く関わっていることが考えられる。神経系におけるSHPS-1とCD47の相互作用の生理機能は明らかではないが、本研究の結果より、神経系においてSHPS-1とCD47の相互作用が、シナプスの形態変化や運動を制御することで、シナプス機能の調節を担っている可能性が想定される。今後、これら分子による細胞間相互作用シグナルおよび細胞内チロシンリン酸化シグナルとシナプス機能制御との関連について解析を進める予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)