Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2003: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
電磁ノイズが通信画像に及ぼす影響を主観評価したときの生理信号を計測し,生理信号による画像劣化の定量的評価について検討した。本年度は事象関連電位の一つである認知・判断に関係するP300と反射性瞬目に着目し,平成14年度に構築した生理信号計測システムを用いて,バーストノイズによるテレビ画像劣化を主観評価したときの脳波(EEG),眼電位(EOG),心電図(ECG)を同時計測した。ECG測定はEEGへのアーチファクトの確認用である。EEG測定での電極配置は国際10-20法に従い,探査電極を正中線上Fz,Cz,Pzに,基準電極を左右の耳朶に(連結),接地電極を鼻根部近傍とした。また,EOG測定には探査電極を右目の上・下眼瞼に,ECG測定には左第I肋間と左鎖骨上に配置した。被験者は成人男性12名とし,評価用画像には風景の静止画を用いた。P300と妨害度の関係を検討するために「(妨害が)分かるが気にならない」,「気になるが邪魔にならない」,「邪魔になる」,「非常に邪魔になる」の4段階評価尺度を定義し,妨害度を評価させた。EEG波形からP300を抽出するために,ノイズ重畳の100ms前からの1s間を一試行として加算平均処理を行った。P300の振幅は妨害度が大きくなるに従って増加したが,明確な相関は得られなかった。しかし,妨害度によってP300の振幅及び潜時に違いが見られ,「非常に邪魔になる」と「分かるが気にならない」と評価したときに有意差が得られた。また,同時計測したEOG波形から「刺激(ノイズ重畳)後30〜60ms間に生じた瞬目」を反射性瞬目として計数した結果,「気になるが邪魔にならない」と評価したノイズに対して反射性瞬目が有意に増加した。この傾向はある妨害度のノイズの識別に利用と考えられ,P300と共に用いることによって画像劣化を評価できる可能性が得られた。
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