マイクロ波温熱処理による悪性骨腫瘍の患肢温存手術のための新しい加熱手法の開発
Project/Area Number |
14780632
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biomedical engineering/Biological material science
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
稲岡 秀検 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (30282768)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2003: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | マイクロ波誘電加熱 / パスツール処理 / FDTD法 / 熱伝導 / 患肢温存手術 |
Research Abstract |
本年度はマイクロ波誘電加熱時の加熱効率をあげるための数値実験の基礎技術として,1)誘電加熱時の単位質量の組織あたりの吸収電力SAR(比吸収率)分布の算出方法,および2)SAR分布から得られた熱源を用いた加熱制御時の熱伝導計算手法の検討を行った. まず単一の同軸アンテナについて,マイクロ波照射時のアンテナ周囲の電磁界分布を,アンテナ部,腫瘍部,骨部および空気部からなる計算モデルに対してFDTD法を用いることで計算した.次いでこの電磁界分布と計算モデルの物性値からSARの三次元空間分布を算出し,このSAR分布から誘電加熱時における単位時間あたりの温度変化を算出した.その結果SAR分布はアンテナ付近で最も大きくなり,アンテナから離れると急速に小さくなること,また腫瘍部のSAR分布は骨部や空気部のSAR分布より顕著に大きくなることが示された.これよりアンテナ周囲の腫瘍部のみが選択的に誘電加熱され熱源となることが計算より示された.これは昨年度までに行ったキャダバーおよびファントムを用いた実験結果と良く一致しており,計算方法の妥当性が示された. 次に,上述の計算から得られたSAR分布を発熱源とし,腫瘍部および骨部からなる伝熱モデルを作成し,マイクロ波オンオフ制御時における三次元の熱伝導計算を行い加熱制御時の任意の部分における温度変化を算出した.計算結果よりアンテナ近傍ではパスツール処理が実現されているがことが確認された.これは実験結果とほぼ一致しており,今回の伝熱計算モデルによりオンオフ制御によるマイクロ波誘電加熱時の三次元温度分布が算出可能であることが示された. しかし,今回の計算モデルでは入力電力とSAR分布の関係が定性的にはほぼ一致したが定量的にはまだ実験結果と完全には一致しないため,加熱効率の改善や最適なアンテナ配置を行うためには計算手法の改良が必要であることも示された.
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)