逐次積層型高分子超薄膜を用いた生医学材料ナノコーテイング
Project/Area Number |
14780643
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biomedical engineering/Biological material science
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
芹沢 武 (芹澤 武) 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (30284904)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 高分子超薄膜 / 逐次積層 / 細胞接着 / 血液適合性 / 酵素分解 / 高分子電解質 / 多層超薄膜 / 生体高分子 / 静電相互作用 |
Research Abstract |
生医学材料として期待される正、負それぞれの電荷を有する高分子電解質を選択し、交互吸着法による逐次積層により基板上に高分子超薄膜を調製した。得られた超薄膜を生医学材料に適用するためのアプローチとして、タンパク質吸着特性、細胞認識性、血液適合性、分解特性について、超薄膜を構成する高分子種および超薄膜の構造特性(膜厚、最表面の高分子種、あるいは膜表面の電荷密度など)といった観点から詳細に検討した。本研究では、正電荷を有する高分子としてキトサンを、負電荷を有する高分子としてデキストラン硫酸を選択した。キトサンはリサイクル材料として更なる付加価値を見出すことができ、またデキストラン硫酸は入手しやすい負電荷を有する半合成高分子の一つであり、本研究の遂行に適した組み合わせである。所定の大きさに切ったポリエチレンテレフタレートフィルム上に同様の手法により超薄膜を調製し、細胞の初期接着ならびに増殖挙動について検討した。細胞には、取り扱いの容易な繊維芽細胞あるいは内皮細胞を用いて基礎検討する。血清の影響についても検討するとともに、他の汎用性材料に対しても適用可能か否か同様の手法により評価した。また所定の大きさに切ったフィルム上に同様に超薄膜を調製し、ヒト全血中に所定時間浸した。フィルムを緩やかに洗浄後、写真撮影し、血液の凝固あるいは抗凝固活性について検討した。血小板の活性化の有無についても検討した。さらにQCM基板を利用して定量的に加水分解特性を評価した。酵素として、キトサン分解性酵素であるキトサナーゼを利用した。同様に調製した超薄膜を適当濃度に調整したキトサナーゼ水溶液に浸し、同様の手法により加水分解量を算出した。酵素濃度、pH、反応温度の影響について評価した。以上の結果より、逐次積層型の高分子超薄膜の生物活性は、最外層を構成する高分子種に依存することが明らかになった。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)