岩石の生物風化への耐久性評価-日本と韓国の石造文化財を事例に
Project/Area Number |
14F04301
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
文化財科学・博物館学(B)
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
小口 千明 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (20312803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SONG WONSUH 埼玉大学, 理工学研究科, 外国人特別研究員
SONG Wonsuh 埼玉大学, 理工学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2016: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2015: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2014: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 風化 / 微生物 / 石造文化財 / 世界遺産 / 保存修復 / 室内実験 / 野外観測 / アンコールワット寺院 / 臼杵石仏 / 首里城 / 仏国寺 / 南漢山城 |
Outline of Annual Research Achievements |
石造文化財の保存に関わる分野では,生物風化の速度のコントロールが重要となる。本研究課題では、石造建造物で用いられている種類の石材を対象として、1) 微生物(バクテリア)が数週間生存可能な実験装置の開発、2) 岩石―バクテリア混在溶液との反応実験、3) 実際の文化財における現地観測を行った。主たる研究目的は、バクテリアの生存期間を反映した実験とその定量評価である。 調査対象は、大分・臼杵石仏(凝灰岩)、沖縄・園比屋武御嶽石門(石灰岩)、韓国・慶州の仏国寺および廣州の南漢山城(いずれも花こう岩)である。現地調査の際には、超小型温湿度データロガーを各サイト4~5か所ずつ設置し、約1年間計測した。また、岩石表面の風化度調査、表面温度撮影、色彩測定を行った。臼杵磨崖仏では、氷点下になる日数などが正確に把握でき、塩類風化のほか凍結融解による風化の可能性についても確認できた。仏国寺では、多寶塔(国宝第20号)と白雲橋(国宝第23号)での温湿度を正確に測ることができた。南漢山城では、気温変化の幅は最大44.5°Cに至り、凍結融解の影響も受けていることが確認された。韓国の地域では環境モニタリングの実施例が少なく、これらの結果は保存管理上の貴重な基礎資料となる。 室内実験では、岩石小片もしくは粉末試料を、約30日間バクテリア混入溶液に入れて反応させる実験を行い、実験前後の岩石試料の表面をSEM観察した。また、実験後溶液のECおよびpH測定と、ICP-AESによる水質分析を行った。無菌の凝灰岩溶液以外の溶液はpH8超となり、電解質の増加が示された。また、バクテリアを入れた凝灰岩と琉球石灰岩混入溶液では無菌区と比べてCaの濃度が顕著に低くなり、凝灰岩混入溶液についてはNaとKの濃度も低くなった。以上の結果より、バクテリアの体内にこれらの元素が取り込まれた可能性も示唆される。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(11 results)