付加体玄武岩中に発達する断層調査・分析と摩擦特性から読み解く海溝型地震の実態
Project/Area Number |
14J00169
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Geology
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
斎藤 翼 筑波大学, 生命環境科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 玄武岩 / 岩石ー流体相互作用 / 摩擦特性 / 粘土鉱物 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は平成26年度の調査の際に採取された玄武岩/泥岩境界試料の詳細な分析と地震性すべりの痕跡の候補を見出すためのさらなる調査を行った。調査を行った槙峰メランジュは変成相解析と白雲母のb0値から緑色片岩-角閃岩漸移相に達し、温度・圧力条件は400°C・< 3.5 kbarであると見積もられている。現地性玄武岩は玄武岩体に沿った地震性すべりの痕跡であるという当初の仮説をもとに、現地性玄武岩が報告されている槙峰メランジュ中の玄武岩体の調査を行った。研究対象とした玄武岩体は、構造的下位より塊状玄武岩、枕状玄武岩、ドレライトより構成され、ドレライトの構造的上位には凝灰岩と泥質岩の互層が重なる。ドレライトの斑晶はオブレート状の形態をとるが、泥質岩との境界に向かって次第に伸張の程度が強くなり、境界から幅1 cm以内ではプロレート状の形態をとる。ドレライトの直上には厚さ約20 cmの優白色化した泥質岩が重なり、境界近傍ほど優白色化の程度が強い。微視的スケールにおいて、ドレライト中の斑晶はしばしば斜ゆうれん石に置換され、境界近傍では著しく白雲母化している。泥質岩では圧力溶解劈開が密に発達し、変成由来の白雲母が観察されるが、優白色化した泥質岩では白雲母は認められない。アイソコン法に基づくマスバランス分析の結果、優白色化した泥質岩ではSrやBaが減少していることが明らかになった。 君波・宮下 (1992)は調査地域に分布する玄武岩体は、海嶺沈み込みに伴って海溝近傍で噴出・貫入したいわゆる現地性玄武岩であると考え、泥質岩の優白色化を玄武岩の貫入に伴う変質であると解釈した。しかしながら、ドレライトと泥質岩境界近傍に変形が集中しており、剪断変形により玄武岩体は構造的に定置したものであると考えられる。Sr、Baのような流体に動きやすい元素が移動していることは、ドレライト/泥質岩境界における流体移動を反映していると考えられる。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)