Project/Area Number |
14J00781
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Chinese philosophy/Indian philosophy/Buddhist studies
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古川 洋平 大阪大学, 文学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2015: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2014: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 信 / 出家 / 初期仏教 / インド仏教 / ラッタパーラ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、初期仏教経典に見られる「信」、特にこれまでの研究で注目されてこなかった「出家に伴う信」を整理検討することを通じて、信が有する固有の性格を明らかにする一助とすることであった。 報告者は、前年度に続き初期経典中の出家に伴う信の用例を整理した上で、信を伴う出家者の中の第一人者とされる仏弟子ラッタパーラの、出家の動機とその背景を精査・考察した。ラッタパーラは両親の猛反対にも関わらず、断食を決行してまで出家を成功させており、こういった彼の態度は、諸欲の対象を享受する世俗生活を送る中で必然的に蒙る、苦の自覚を背景としている。用例を整理すると、出家に伴う信は、苦の自覚を背景としつつもその苦の終末を目指す目的志向性をもち、また、具体的な行動に現れ出るものでもあることが明らかとなる。ラッタパーラの出家のきっかけとなった断食は、彼の苦の自覚を背景とした、信の表出であったと考えられる。 出家の信の検討と平行して、報告者は、初期経典中に用いられる信の動詞形の用例を整理した。初期仏教における信の動詞の対象は1: 対格(人物/事物)と2: 属格形(人物)に分類することが出来る。このうち中心となるのは1で、対格(人物/事物)を信じることは、対格(人物/事物)を「真実だと見なすこと」を意味する(実際に真実であると分かっているわけではない)。2の属格形(人物)を信じる場合、人はその人物当人を信じているわけではなく、実際上、その人物の対格(発言内容等)を信じることが意図されている。上の分類は仏教成立以前のテキストにも見受けられ、報告者は、初期仏教における信の動詞形が、仏教成立以前の用法や意味内容を受け継いでいることを確認した。 以上2つの検討結果は、これまでの信の性格に関する議論に一石を投じるものと考えられ、いずれも学会にて口頭発表し、学会誌に掲載される予定である。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)