Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
「フグがなぜ毒を持つのか?」という問いは水産学・生物学上の長年の疑問である。これまで、フグ毒テトロドトキシンが捕食回避に機能する、免疫賦活作用を持つなどの説が出されているが、明確な答えは出ていない。私は、フグに対するフグ毒の生態学的意義の解明の一環として、トラフグのフグ毒感知と脳内作用機序の研究を進めている。昨年度までに、フグ毒の感知や保有によって嗅部(嗅上皮と皮膚)および脳内で発現変動する遺伝子を次世代シーケンサを用いたトランスクリプトーム解析により特定することができ、フグ毒の感知に関わる嗅覚受容体を輸送する可能性のあるタンパク質が見つかり、フグ毒の摂取・蓄積には食欲および報酬に関連する遺伝子が関わっていることを示唆する結果が得られた。本年度は、フグのフグ毒摂取に着目して実験を行った。無毒のトラフグ人工種苗に対して無毒の配合飼料(対照区)またはフグ毒添加飼料(フグ毒給餌区)を給餌して1ヶ月飼育を行った。その結果、対照区とフグ毒給餌区で飼育成績に違いはなく、高濃度のフグ毒であってもトラフグ稚魚の摂餌、消化・吸収、脂質代謝および成長に悪影響を与えないことが分かった。飼育試験で得られた無毒飼料給餌個体とフグ毒添加飼料給餌個体、また新鮮海水に浸漬した個体とフグ毒添加海水に浸漬してフグ毒を感知させた個体について、それぞれの脳内での食欲ホルモンの分布と発現量を現在調査している。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Presentation (6 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Invited: 1 results)