世代間倫理をめぐるハンス・ヨナスと討議倫理の思想の研究
Project/Area Number |
14J01350
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Philosophy/Ethics
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
戸谷 洋志 大阪大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2015: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2014: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | ハンス・ヨーナス / 世代間倫理 / 討議倫理 / 自然哲学 / 責任倫理 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の本研究は主として二つのテーマを扱った。一つは、ドイツ出身のユダヤ人哲学者ハンス・ヨーナスが『責任という原理』(1979年)において論じる「個別的命令」と「存在論的命令」の違いと関係を明らかにすることである。前者は日常的なレベルで生じる責任であり、弱者、特に幼児に対して大人に課せられる義務である。これに対して「存在論的命令」は、そうした弱者に対する責任が可能であることへの責任であり、責任の担い手である人間が地上に存続することへの責任である。ヨーナスは前者から後者を演繹するという仕方で未来世代への基礎づけを試みている。ただし、そうであったとしてもその基礎づけには様々な批判が寄せられうる。報告者は先行研究を踏まえヨーナスの世代間倫理には審級概念が欠如しており、この点において限界を抱えていることを指摘した。報告者はこの研究成果を大阪大学文学部哲学講座の機関紙『メタフィシカ』第46号において論文「ヨーナスにおける個別的命令と存在論的命令の区別について」として発表した。 もう一つのテーマは『責任という原理』の重要な局面において散発的に用いられる「人間像」という概念についてである。ヨーナスは同著に先立って自然哲学を主題とした文献『生命の哲学』(1963[英]/1973[独])において、人間を動物から区別する分水嶺として像を描く自由を指摘しており、その自由は歴史のなかで「人間像」を形成することにおいて最大限に発揮されると述べている。こうした点に着目しながら、報告者は『生命の哲学』と『責任という原理』との間には「人間像」をキーワードとしたヨーナスの人間学的な思想が一貫して前提にされてと指摘し、またそうした解釈によってヨーナスの世代間倫理の思想は日本倫理学会の機関紙『倫理学年報』第65集において論文「人間像と責任――ハンス・ヨーナスにおける人間学」として発表した。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)