三角格子を有する混合原子価化合物における電荷フラストレーションの効果の解明
Project/Area Number |
14J01400
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 慎太郎 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥2,170,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 混合原子価化合物 / 三角格子 / 電荷秩序 / 新奇物性開拓 / 電荷フラストレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、電荷のフラストレーション効果を検証するモデル物質としてNaFe2O3に着目し、研究を進めた。反応容器や雰囲気等の条件を検討した結果、NaFe2O3の合成を再現性良く行うことに成功した。さらに、大量の試料の合成に成功し、その結果、NMR測定や共同研究であるμSR測定が可能となった。 さらにNMRにより、NaFe2O3の磁気・電荷状態を微視的に研究した。まず、得られた試料のNMRスペクトルからディスオーダー等のない純良試料であることが確認された。さらに配向試料の作成に成功し、得られた単結晶スペクトルを解析したところ、高温相から中間相への相転移で電荷秩序が、中間相から低温相への相転移で磁気秩序が起こることが明らかとなった。秩序相の電荷・磁気秩序パターンを決定し、これらの結果から電荷のフラストレーションが高次の相互作用により解消されたことが示唆された。加えて、核スピン-格子およびスピン-スピン緩和率の解析を行ったところ、前者が磁気秩序において、後者が電荷秩序において大きく変化することが明らかになった。これは、核磁化緩和のT2過程を通して電荷のゆらぎを検出しているからであり、スピン-スピン緩和率の測定が電荷のゆらぎを検証する上で適した手法であることを示唆している。 さらに、昨年度に引き続き、混合原子価酸化物の純良試料の合成を行うための酸素分圧精密制御炉の作成を進めた。その結果、この炉の小型化に成功し、グローブボックスにこの炉自身を持ちこむことが可能となったため、大気中で不安定な化合物の試料合成が可能となった。しかしながら、循環システムが不十分であるため、炉内の酸素濃度勾配が非常に大きくなり、酸素濃度の調整が困難になった。今後より濃度差を縮小できる循環システムを確立することで、さまざまな混合原子価酸化物の試料合成に適用できる合成手法となることが期待できる。上記の結果を国内および国際学会において発表した。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)