Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
腸管形態形成は腸管の屈曲によって特徴づけられ、胎子期において屈曲はある一定の部位及び時期に一定方向に出現する。このことから、胎子腸管には屈曲措定部位があり、その屈曲を制御する遺伝子発現メカニズムが存在すると考えられる。本研究ではマウス十二指腸空腸曲(DJF)を用い、胎子腸管の屈曲形成機序の解明とそれを担う分子群の選抜、その作用時期・領域及び機能を解明する。平成28年度は昨年度から条件検討を重ねている胎子摘出腸管の器官培養法により、培養腸管のDJF相当部位が背側腸間膜を切除した条件においても屈曲する様子を観察した。培養腸管の形態学的観察では、胎子DJFと比較して類似する点が観察され、当培養法がDJF屈曲形成に関与する分子群のスクリーニングとして有用であると考えられた。その詳細は以下の通りである。1)胎齢10.75日のマウス胎子より腸管を摘出し、寒天培地上で培養したところ、DJF相当部位を含む馬蹄形の屈曲を示した。しかしながら、組織観察により、培養腸管の屈曲内側に胎子DJFと異なる非常に密な血管分布(遺残した前腸間膜動脈)が観察され、背側腸間膜の屈曲に対する影響を否定できなかった。2)前腸間膜動脈の発生が完了する胎齢11.0日のマウス胎子より腸管を摘出し、前腸間膜動脈を除去して培養を行ったところ、DJF相当部位における屈曲形成とその尾側の直線的な伸長が観察された。この形態は胎子DJFの形態と非常に類似し、組織観察でも異常な血管分布は観察されなかった。本結果はDJFが腸間膜の関与を受けずに屈曲することも示すと同時に、今後の屈曲関連遺伝子スクリーニングに有用なツールとなると考えられる。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Cell and Tissue Research
Volume: in press Issue: 2 Pages: 367-379
10.1007/s00441-016-2390-1
Volume: in press Issue: 2 Pages: 273-285
10.1007/s00441-014-2091-6