直線型遺伝子封入ナノ粒子を用いたイムノエンジニアリング技術による癌治療法の確立
Project/Area Number |
14J02037
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical pharmacy
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
冨樫 亮平 北海道大学, 生命科学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2015: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 遺伝子デリバリー / 免疫応答 / 抗腫瘍効果 / 脂質ナノ粒子 / 腫瘍環境正常化 / 直線型DNA |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度において、従来型粒子と比較して肝臓における遺伝子発現活性を100倍以上向上させる事に成功した。また、改良後の粒子は高い肝臓移行性並びに鋭敏なpH応答性を有し、これらの性質が高い活性に寄与したことを明らかとした。しかし一方で、改良型粒子は投与時にサイトカイン濃度の増加等の炎症反応を誘導することが明らかとなった。これらの反応はDNA未搭載粒子投与時、並びにマクロファージ除去処理時には大きく抑制されたことから、DNA搭載粒子が免疫細胞によって取り込まれ、細胞内DNAセンサー系を活性化させた結果、免疫応答が引き起こされたと考えられた。これに関し、抗炎症剤であるデキサメタゾンを粒子へ搭載することにより炎症反応の抑制並びに遺伝子発現活性の増強に成功した。 次に、DNA搭載ナノ粒子の投与による免疫系活性化を介した癌治療を試みた。新たな機能性素子を用いることで癌組織標的型ナノ粒子を調製し、担癌マウスに尾静脈内投与した際の抗腫瘍効果を検証した。その結果、DNA搭載ナノ粒子投与による腫瘍内I型IFN発現量の亢進及び抗腫瘍効果が示された。これらの結果より、DNA搭載ナノ粒子自体による免疫活性化を介した抗腫瘍効果が示唆された。更に、PGE2の異化代謝酵素である15PGDH DNAを送達した場合、より強力な抗腫瘍効果及び腫瘍内PGE2量の減少傾向が観察された。次に、ナイーブマウス及び担癌マウス(PBS投与群)の脾臓中細胞に占める免疫抑制細胞MDSC、そして抗腫瘍免疫に関わるCD4陽性T細胞、CD8陽性T細胞の割合を測定した結果、担癌状態のマウスではMDSC数の増加、及び両T細胞数の減少が観察された。一方、15PGDH DNA投与群においてはPBS投与群と比較して脾臓細胞中に占める中MDSCの割合の減少及び両T細胞の割合の増加が観察された。以上の結果より、15PGDH DNA搭載粒子の投与はMDSCの脾臓における免疫抑制機能の減弱にも有用であることが示された。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)